ヒーローとお姫様。 izwさん ページ43
『私、結婚することになったの。』
そう打ち明けたのは、3日前。私だって最近知ったばかりだった。
うちのお父さんは企業の社長。ある日大切な取引先のご子息の方が私を気に入ってくれたみたいで、形だけのお見合いして、強制的に結婚させられることになった。
いわゆる、政略結婚。
私に反論する権利なんてなかった。今までずっと色々なお金を払ってきてもらって自分はここまで生きてこれたから。
そのご子息も決して悪い人ではない。こんな人を好きになる人も世の中にたっくさんいるだろうって、そんな人だった。
最初は拓司もすごく驚いていたけど、一晩中話し合って、やっと2人とも落ち着いた。
そして今日の朝、私は黙って家を出てきた。結婚式の場所も伝えなかった。お別れが悲しくなるから。もうあと1回会ったら、離れられなくなると思ったから。
式場に着くと、もう準備は進んでいた。私は純白のドレスに身を包み、綺麗なお化粧をしてもらう。
「すごく綺麗だよ、Aさん」
言い方悪いけど好きでもなんでもない人に言われてもなぁ。
こんな時拓司なら、
「かーわいい。さすが俺のA。」
こんなことを言ってくれるんだろう。あぁ、だめだめ。もう拓司のことばっかり。
しょうがないじゃないか。好きなんだから。ほんとは隣に立つのが拓司じゃないなんて信じられない。人生で最初で最後の姿を一番最初に見るのが拓司じゃないなんて。
あぁ、やっぱりまだ好きだ。考えないでおこうとするほど、好きが溢れ出てくる。
A母「ごめんね。止めてあげられなくて。お父さんに言えなくてごめんね。Aには幸せな人生を歩んで欲しかったんだけど、、！！」
『泣かないでお母さん。大丈夫だよ、私は。』
お母さんは私に彼氏がいることを唯一知っている。ほんとは大丈夫じゃないけど。これ以上優しいお母さんを泣かせたくなかったから嘘をついた。
A父「さぁ、式場に行こう。相手がお待ちだ」
『はい。お父さん。』
ごめんね拓司。ほんとにありがとう。
楽しかった。人生で一番幸せだった。
出来るならずっと一緒にいたかった。
ごめんね、さようなら。
胸がじーんと熱くなった。
やけに大きく、自分の鼓動が聞こえた。
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葵(プロフ) - みるくさん» え〜！！すみません！！お気づきありがとうございます！！ (2020年2月17日 23時) (
レス) id: 73270576ea (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - すみません。[水着着てみた]の内容にふくらさんverがない…？ (2020年2月17日 8時) (レス) id: aa77fddebf (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - まつりかさん» はい！！ありがとうございます！！ (2020年2月13日 23時) (レス) id: 73270576ea (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - 葵さん» 是非よろしくお願いします！頑張ってくださいね！ (2020年1月31日 21時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - まつりかさん» ありがとうございます！！神だなんてそんな、、まだまだ未熟者ですがよろしくお願い致します！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 73270576ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2020年1月7日 14時
