QuizKnock 短編集

kwmrさん ページ36

おかしい。完全におかしい。

絶対、河村さん体調悪い。多分バレないようにしてるから他の人は気づかない。けど私にはわかる。だって彼女だし。

でも、素直に今日は帰りましょうって言っても着いてきてくれないだろうな。んん、どうしよう。

あ、いいこと思いついた。


作戦は至って普通。次の動画の買い出し行きましょうって誘ってそのまま河村さんの家に行く。自然に。

『河村さん！次の動画の買い出し行きましょう！』

「...あ、はい、行きましょうか」

間があった。やっぱりしんどいんだ。

すぐオフィスを出て少しゆっくりめに歩いていく。河村さんの家までは近い。

よし、到着！
「...ここ、僕の家ですけど何か持っていかれるんですか」

『もー。いい加減わかってくださいよ、

..体調悪いでしょ。河村さん。』

「そんな事ないです。っ、」

『っわ、だ、大丈夫ですか？！ほら早く寝室行きましょう！』

急にふらっとこっちに倒れてきた河村さん。慌てて支えたが、心配すぎる。

すぐベットに寝てもらった。

「だめです、オフィス勝手に抜けてきちゃ、」

『そんなしんどそうな顔して何言ってるんですか。伊沢さんにはもう言ってあります。
河村さん、いつも頑張りすぎなんですよ。今日ぐらい休みましょう？』

「わかりました、」

『分かったならいいです！熱いですよね？顔赤いし。冷えピタ貼りますね。あとこれ食べましょう！』

食べ終わって、しっかり薬も飲んでもらう。会話はなかったけど、隣にはいようと思って、ずっとベットに腰かけていた。

「...ました」

『？どうしたんですか？』

「失敗しました、ミスして迷惑かけました」

なるほど。これが原因か。疲れてるんだな。

『そんなの誰にでもあります。私なんてミスばっかりですよ。私からすれば河村さんはめちゃくちゃすごいです。神です。』

『...あと、彼氏が完璧すぎたら誰かに取られるかもって心配になるんで、嫉妬深い彼女のことも考えてやってください』

「ミスばっかりなのも心配ですが」

『！言いたいことはそーゆー事じゃないですからっ！』

「ふふ。分かってますよ。

あの、ありがとうございます。やっぱり彼女はあなたしかいません、とでも言っておきましょう」

『なーにかっこいい事言っちゃってるんですかっ、はやく寝てください』

危ない。心臓の音が大きすぎてバレそうだ。

神様は、風邪をひいていても神様みたいだ。

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