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ym side


知念といつものご飯屋さんに来て、とりあえずおつまみになるものとお酒だけ頼んだ。


「ねえ、いつまで引きずってんの」

「ん?」


頼んだものが運ばれてくるまでの沈黙を、突然知念が破った。


「だから、いのちゃんのこと。大貴と付き合い始めてもう1年になるよ?未だにあの2人を見てはため息ばっかりついて…」


知念に呆れられて、自分でも自分に呆れる。


そうだよな。あの出来事から2年、大ちゃんと伊野尾ちゃんが付き合い始めてから1年。充分時間は経った。もう自分の中で消化されてもいいはずなのに、いつまでももやもやするこの心。


考えているうちに店員さんが品物を運んできた。店員さんが出ていくのを見送ってから、口を開く。


「今でも、気持ちが薄れない。時間は解決してくれない」


自分でじっくり考えて出てきた言葉はこれ。そう、時間が経っただけでは何も変わらなかった。


「そんなに後悔するんだったら、まずは仲良くなりな」


はあぁ!?


「いやいや、丸2年だよ?俺と伊野尾ちゃんが関わって来なかった時間!しかもあの最悪すぎる出来事が最後で、どうやって関わっていけばいいっていうんだよ!」

「それは、自分で考えてくださいっ」


いつものような冗談モードに戻った知念。ちぇ、少しはいつもより真剣に俺の話を聞いてくれてると思ったのに。


「大丈夫。いのちゃんだってもともと涼介を好きだった人だよ?それに大人なんだから、2年も前のこと涼介みたいに引きずって受け入れないなんてことないだろうし」


なんだか俺が子どもだと言われた気がするのは気のせいですか?


「まあまあ、どうするかは涼介が決めるんだよ。ただ、間違っても大貴から奪おうなんて考えないでね。そっちと仲悪くなったって嫌だから」

「そんなことは考えませんよーだ」


まあ、ときどき思っちゃうよね。大ちゃんに渡さずに俺のものにしちゃえばよかったなって。

·→←第一章 〈それぞれの後悔〉



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作者名:take a walk | 作成日時:2024年1月14日 2時

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