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ym side
1ヶ月、たくさんたくさん考えて、伊野尾ちゃんが安心できるのは個室がある少し良い和食屋さんだという結論にたどり着いた。
メッセージで和食屋さんの名前を伝えても、やっぱり伊野尾ちゃんの返信は淡白な『ありがとう』。
こんなんで今夜は上手くいくのだろうか。
楽屋に伊野尾ちゃんが来たとき、知念に「よろしく」くらい行って来いと言われたけれど、初っ端から大ちゃんとくっついて更に眠ってしまったから何も話せなかった。
眠る伊野尾ちゃんを横目に知念に泣きつく。
「どーしよ、帰りまで何も話せなかったら色々伝えれないよ!」
「僕は知らないよ、涼介が捕まえれなかったのが悪いんだから」
何も伝えれていないから、伊野尾ちゃんの誤解を解いて安心させてあげることもできない。絶対怖がってるもん。
「ってか涼介さ、いつの時代の人?」
「は?」
何急に。
「スマホ持ってるんだったら電話のあとからメールでも追加で何か言えることあったでしょ」
「あー!」
俺としたことが焦りすぎてそのツールを忘れていた。平成を超えて、令和を生きてるのに。
俺の大声で数人がこちらを見て、伊野尾ちゃんは目を覚ました。ごめん皆。心の中で謝っておいて、手はすぐにLI◯Eを起動した。
涼介今日、怒るために呼び出したとかじゃない
涼介というか俺は伊野尾ちゃんのこと嫌いじゃないし避けるつもりもない
涼介誤解と心配させてごめんね
一気に自分の気持ちを送ってスマホをしまったとき、伊野尾ちゃんがスマホを取り出すのが見えた。
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作者名:take a walk | 作成日時:2024年1月14日 2時