第10話 ページ12
そして私たちは市街を歩いた。
却説、犯人は何処にいるのでしょうか。
まだ事件から少ししか経っていない。
そして目撃情報によると犯人は「黒髪の少女」だという。
そんな少女がこの短時間で遠くまで走り去るのは不可能だ。
つまり、まだこの近くにいる可能性が高い。
異能を使って既に遠くへ逃げている、という可能性もなくはない。
けれど、この人混みの中で異能を使えば目立ってしまう。
故に、彼女にとって不利的な状況になってしまいます。
だからきっとまだ近くの路地裏、建物内の中にでも居そうですね。
『鐵腸さ──、え?』
あれ、鐵腸さんが消えた。
否、寧ろ居ない方が楽ではありますが。
『あ、………はぁ』
周りを見渡してみると、彼はとあるカフェの扉の前で、看板を眺めている。
『急に如何したんですか、』
「────腹が減った」
───
結局、カフェに寄ることになってしまった。
仮にも仕事中であると言うのに…………
扉を開けると、店内の鈴の音がカラン、と鳴った。
「い、いらっしゃいませっ!」
あー、店員さんが焦っている。
矢張り制服のまま店に入るべきではなかったのでは…?
私はカウンター席に座った。
『?座らないんですか?』
「条野、」
彼は動揺の表情を見せた。
そして席に座り、小声で私に伝えた。
「店の奥に少女が居るだろう」
『え、?あぁ、はい。彼女、明らかに動揺していますね。心拍が速い。』
「彼女の着ている服の生地が、これと同じなんだ」
そして鐵腸さんは先程受け取った証拠品を出した。
成程。
『つまり、彼女が犯人だと』
「多分な」
それなら、彼女が明らかに動揺していたことにも筋が通りますね。
『よし、少し弄んでみましょうか』
私は席を立った。
──────
最近漫画読んでる時梶さんで脳内再生できて幸せ。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←第9話
54人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みくみく | 作成日時:2022年8月12日 21時