ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス 12 ページ28
「はぁーい!そこまで!」
この場に似合わない明るい声が聞こえた。強い強風が起こる。
顔を見なくてもわかる。この優しい匂いは――――…
「…え」
「…なッ」
芥川と樋口さんの驚く声が聞こえた。と同時に敦くんが私の隣にどさりと倒れる。ちらりと見ると、どうやら異能力の使いすぎで体力をだいぶ消耗したようだ。
「ほらほら、起きなさい敦君。四人も負ぶって帰るのは厭だよ、私」
敦くんの反応はない。気絶している。敦くんがぺちぺちと頬を叩かれているのをぼんやり見つめる。
「それからA。起きているのだろう。帰ったら与謝野先生に特別サービスしてもらうよう頼んどくよ」
与謝野先生の特別サービス。聞こえはいいが、内容が最悪だ。アドレナリンが大量に分泌されているのか、痛みを感じない。それは厭だなぁ、と何だか可笑しくて思わず笑ってしまう。
そうすると太宰さんから、私は怒っているからね、と言われてしまった。
「貴方、探偵社の―――!何故、ここに!?」
「美人さんの行動が気になっちゃう質でね。こっそり聞かせて貰ってた」
「では最初から…私の計画を見抜いて…!?」
「そゆこと」
話を聞くかぎり、心中のお誘いをしているときに盗聴機を入れたようだ。訴えられないか、それ。
「はぁ……四人も連れて帰るのはさすがに疲れるなあ。矢張敦くんを起こすしかないか。」
「ま………待ちなさい!生きて帰す訳には!」
よいしょ、と丁寧に担ぎあげられて、それから横抱きにされた(さすがに前回のような俵担ぎは嫌だ)。そこへ樋口さんの銃口が太宰さんに向けられる。すると芥川が喉を鳴らして嗤っていた。
「止めろ樋口。お前では勝てぬ」
「芥川先輩!でも!」
「太宰さん、今回は退きましょう―――しかし人虎の首は必ず僕らマフィアが頂く」
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塩わさび - きつね?さん» コメントありがとうございます!その上、私なんぞに勿体ないお褒めの言葉まで添えていただけるなんて嬉しいです…! (2018年3月29日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
きつね? - 敦くん可愛すぎます!神ですね!!!最高!!! (2018年3月29日 20時) (レス) id: 80a3d77369 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。すみません今気がついたので外しました (2018年3月27日 19時) (レス) id: a1a66c3c7b (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月27日 18時) (レス) id: 7f197fb369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年3月27日 17時