ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス 11 ページ27
芥川の言うとおりなら奴は敦くんの脚を狙うはずだ。後ろを振り向いて敦くんの名を呼ぶ。どうすることもできない敦くんは固まったままだ。
「ぎ、ぎゃああああ」
敦くんの悲痛な叫びが耳に響く。攻撃を受けた敦くんは片足を失ってしまった。
――――私のせいだ。私が、先輩なのに、私がしっかりしないから。
焦る気持ちで正常な判断ができないのがよくなかった。後ろを向いていた私はもう一つの黒獣がやって来るのに気がつかず、私の右肩と左脇腹に噛みつかれた。強烈な痛みに耐えきれず、倒れる。
痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い！！
痛くて痛くて歯をくいしばる。傷口から血が出ているのがわかる。鼓動が早まるのがわかる。遠くで敦くんが名前を呟くのが聞こえる。
ごめんね敦くん。私、先輩失格だ。
「あ、つし……くん……」
「矢張所詮は小娘。詰らぬ。しかし安心しろ、貴様の動きは僕が戦った中では中々良かった。故に潔く苦しまずに殺してやる」
朦朧とした意識の中、なんとか気絶しないようにしていたらそんな声が聞こえた。目の前に芥川の靴が見える。もうすぐ死ぬのだろうか。
芥川が羅生門、と呟いた。衝撃がくるのを覚悟し、目を閉じる。
……が、中々こない。誰かの舌打ちと、獣が唸る様な声が聞こえた。
「敦、くん……？」
目を開けると、私の目の前には、こちらに背を向けて白い虎が立っている姿がとびこんできた。芥川はいつの間にかもとの位置に戻っている。敦くんが守ってくれたのだろうか。
「『羅生門』」
芥川の黒獣が敦くんの腹部へと噛みついた。しかし、数秒とかからず回復してしまう。
「再生能力！…しかも之程の高速で……！」
「芥川先輩！」
「退がっていろ樋口。お前では手に負えぬ」
しばらく異能どうしがぶつかり合う音が聞こえた。押しているのは敦くんのほうだった。ポートマフィア側からは焦りが聞こえる。
谷崎くんが作り出した幻影のおかげで敦くんがさらに一歩優位にたった。動揺した芥川の隙をつき、敦くんと芥川の異能がぶつかりあう――――はずだった。
「はぁーい！そこまで！」
この場に似合わない明るい声が聞こえた。
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塩わさび - きつね?さん» コメントありがとうございます！その上、私なんぞに勿体ないお褒めの言葉まで添えていただけるなんて嬉しいです…！ (2018年3月29日 23時) (
レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
きつね? - 敦くん可愛すぎます！神ですね!!!最高!!! (2018年3月29日 20時) (レス) id: 80a3d77369 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。すみません今気がついたので外しました (2018年3月27日 19時) (レス) id: a1a66c3c7b (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月27日 18時) (レス) id: 7f197fb369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2018年3月27日 17時
