ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス 8 ページ24
「あ?チンピラ如きが……ナオミを傷つけたね。……『細雪』」
Aさん、ありがとう。と谷崎くんはいうと、ナオミちゃんを横抱きにした。この季節には降るはずもない雪が降り始める。
「敦くん、Aさん」
「……っは…い」
「奥に避難するンだ。こいつは……ボクが"殺す"」
だから私は手を出すな。そう谷崎くんの瞳が物語っていた。樋口さんを真っ直ぐと睨み付ける。その目は先ほどの瞳とは違い――――復讐だけが渦巻いていた。
樋口さんが銃を構え、谷崎くんへと乱射した。敦くんが谷崎くんの名前を呼ぶ。大丈夫だよ、敦くん。そういう意味をこめて、震える彼の手を握った。彼を落ち着かせるために精一杯笑顔を向ける。大丈夫。谷崎くんは、大丈夫。
弾が谷崎くんの体へと中った――かのようにみえた。
「ボクの『細雪』は、雪の降る空間そのものをスクリーンに変える」
「なっ!何処だ!」
どこからか谷崎くんの声が聞こえる。細雪を使用中の谷崎くんはいわば無敵だ。見たところ、樋口さんは異能力者ではない。そう簡単に見つかるはずはないのは当然だ。
「ボクの姿の上に背後の風景を上書きした。もうお前にボクは見えない」
「姿は見えずとも玉は中る筈!」
樋口さんはさらに乱射を続けるが、中らない。私は敦くんに弾が中らないようにする為、伏せるように指示を出す。そしてもう片方の手は敦くんに奥へいくよう促した。
「大外れ」
「…っ!」
「死んで終え!」
突如、樋口さんの背後に現れた谷崎くんの手。彼の手はそのまま樋口さんの首を絞める。体が宙に浮き、苦しそうな声が聞こえた。
「……え?」
誰かが驚く声が聞こえた。直後、大きい物音。それも、人が倒れたような。
目を凝らしてみると、谷崎くんが倒れていた。何事かと思い、よく見ると谷崎くんが血を流している。そばにはナオミちゃんもいる。一体何が起きているのだ。
「死を惧れよ、殺しを惧よ。死を望む者、等しく死に望まるるが故に……」
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塩わさび - きつね?さん» コメントありがとうございます!その上、私なんぞに勿体ないお褒めの言葉まで添えていただけるなんて嬉しいです…! (2018年3月29日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
きつね? - 敦くん可愛すぎます!神ですね!!!最高!!! (2018年3月29日 20時) (レス) id: 80a3d77369 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。すみません今気がついたので外しました (2018年3月27日 19時) (レス) id: a1a66c3c7b (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月27日 18時) (レス) id: 7f197fb369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年3月27日 17時