ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス 5 ページ21
「で、でも…」
敦くんは不安げに振り向いた。ぱちり、と敦くんと私の視線が交わる。とりあえず頑張れの意味をこめてガッツポーズしといた。
「A、谷崎。一緒に行ってやれ」
「はい」
「はーい」
「兄様が行くならナオミもついていきますわぁ」
頑張ろうね、とナオミちゃんと鼓舞しあう。久々に太宰さんとは別の仕事だ。それくらい危険ではないということなのだろう。
現場を押さえる為の
「僕らは先に下で待ってるから、敦くんと国木田さんの話が終わったらおいで」
「あ、はい！わかりました！」
気を使わせてしまっただろうか。私が準備をするのが遅いからだ。
急いで鞄に荷物を詰めていると、今度は太宰さんに名前を呼ばれた。振り替えると、先ほど樋口さんが座っていた椅子に寝転んでる。ちょいちょい、と手招きされたので太宰さんの近くへいく。
「今回の仕事、一難あるかもしれない」
「えっ？」
「呉々も無茶だけはするな」
いいね、と念をおされた。その瞳は真剣だ。太宰さんの勘は外れたことはない。ということは、その言葉通りのことが本当に起こるのだろう。
ふと初めて出会った時の言葉を思い出した。
――――君の異能力は、時に人をも殺す。
異能力を過信しすぎると身を滅ぼす。異能力は決して万能ではない。己を犠牲にする必要はない。
以前、太宰さんはそう言った。過去に太宰さんの古い友人がそうだったようだ。だからこそ、太宰さんは私と古い友人を重ねてしまう為、心配なのだという。
「…わかりました。最善は尽くします」
「Aは相変わらず意地っ張りだね。そこは『解りました』って云うところだよ」
行っておいで。優しい声で紡がれた言葉に行ってきます、と返す。ちょうどそのとき、敦くんと国木田さんの会話が終わったようで並んでエスカレーターまで歩いていく。
「御免ね、待たせちゃって。太宰さんとなにを話してたの？」
「内緒」
敦くんは私の返答に不思議そうな顔をした。
太宰さんは私に対しては大雑把で、
だから私はあの人のことが嫌いになれないのだ。
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塩わさび - きつね?さん» コメントありがとうございます！その上、私なんぞに勿体ないお褒めの言葉まで添えていただけるなんて嬉しいです…！ (2018年3月29日 23時) (
レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
きつね? - 敦くん可愛すぎます！神ですね!!!最高!!! (2018年3月29日 20時) (レス) id: 80a3d77369 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。すみません今気がついたので外しました (2018年3月27日 19時) (レス) id: a1a66c3c7b (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月27日 18時) (レス) id: 7f197fb369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2018年3月27日 17時
