或る爆弾 2 ページ12
「……国木田君。今の
「うんうん…」
「この非常事態に何をとろとろ歩いているのだ！
「非常事態って…」
「爆弾魔が、人質を連れて探偵社に立て篭もった！」
ところかわって探偵社。
「嫌だァ……、もう嫌だ……。ぜんぶお前らの所為だ…！『武装探偵社』が悪いンだ！」
爆弾魔こと谷崎くんが社の机の上に座りながらいう。傍らには妹のナオミちゃんが縛られて身動きがとれない状況だ。さながら人質というわけか。
「社長は何処だ！早く出せ！！でないと、爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ！」
「あちゃー」
「駄目ですねこれは」
「怨恨だ」
物陰に隠れながら様子を伺う。すごい迫真の演技だ。あんなに本物の爆弾魔のような目はなかなかできない。
「犯人は探偵社に恨みがあって、社長に会わせないと爆破するぞ、と。」
「ウチは色んな処から恨みを買うからねぇ。……うん、あれ
「は、はいうえすく？？…えっ！？吹き飛ぶ！？」
敦くんは太宰さんの言葉を聞いてものすごく帰りたそうだ。そうだよね、帰りたいよね。こんな状況、現実だったら私だって帰りたい。
「爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど……、この状況じゃなぁ。どうする？」
「え、どうって…。」
「太宰さんの判断に任せます」
「じゃあ会わせてあげたら？社長に」
「なっ…」
「殺そうとするに決まってるだろ！それに社長は出張だ」
太宰さんふざけてるなぁ……。それにしてもみんなすごい演技力だ。
「…人質が優先ですね」
結局太宰さんはあてにならないので、私がそうぽつりと呟くと、国木田さんと太宰さんは自分の手を見つめ、お互いに顔を見つめ、そして私をみた。
なんとなく、わかってしまった。男はいつまでたってもバカなのだ。しょうがない、この上司たちに乗るしかない。
敦くんは私たちのやりとりを不思議そうに見る。今からやることがわかっていないようだ。
これは私たちの仁義なき戦いである。
そう、それは―――じゃんけん。
一回目はあいこ。二回目も同様。三回目でやっと決着がついた。国木田さんの負け。太宰さんがニヤニヤしているのに対し、国木田さんは舌打ちをして谷崎くんに近づく。
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塩わさび - きつね?さん» コメントありがとうございます！その上、私なんぞに勿体ないお褒めの言葉まで添えていただけるなんて嬉しいです…！ (2018年3月29日 23時) (
レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
きつね? - 敦くん可愛すぎます！神ですね!!!最高!!! (2018年3月29日 20時) (レス) id: 80a3d77369 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。すみません今気がついたので外しました (2018年3月27日 19時) (レス) id: a1a66c3c7b (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月27日 18時) (レス) id: 7f197fb369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2018年3月27日 17時
