【超特急】無限大の可能性2

88番線 GOLD練 4 ページ40

祐基 side


スタッフ「じゃあ、セトリはこれで決まりかな。」


「あ、はい！メンバーにも確認したのでそれでお願いします！」



スタッフ「ここの構成どうなった？」



「そこはもう少し照明落として、裏から光当てる感じにして貰えると助かります！」



もう少しでツアー本番だ。



最初に決まっていたものと今できあがりつつあるものは根本は変わらないけど、姿を変えている。


「うーん…やっぱりここはこうした方が…演出的にはいいよなぁ…でも伝わりずらいかな…」



こだわりすぎ。なのかもしれない。



頭を抱えて苦しくてしょうがない。



でも、妥協は絶対にしたくない。

めんどくさいからとか時間ないからって言葉で片付けたくない。
このツアーは俺らの黄金時代の幕開けになるんだから。



稜「ッ僕達は！」



超「超特急です！！！！！！！！」




稜「リハーサルよろしくお願いします！」




海「ここは…うん、こんな感じかな！いいね！」



拓「うん。照明の感じもいいね。より、やる気が出るよ。」


『うん！光が後ろから当たってシルエットになるのがいいね！』


佑「あ！ここの動線変わったんだね！動きやすい！」



太「おー！これすごいな！8号車の近くまで行けるやん！」



稜「な！やっぱめちゃくちゃいいじゃん！この構成………祐基……？」




祐「へ……？」



稜雅に名前を呼ばれるまで自分に起きていたことに気づかなかった。


…な、なんで俺…



祐「ちょっと…ごめん…。」



俺はステージから走り去った。




海「…今、祐基泣いてた…？」


『……。』




…なんで泣くかなぁ…。



そもそも自分が泣いていることにする気づかなかった。


稜雅に言われて、初めて涙がボロボロ落ちているのに気づいた。



…なんで…。




祐「…！」


『祐基……泣く時まで1人なの…？』



背中に温もりを感じる。

冷え切った心に、温かいものが流れ込んでくる。

余計に涙が止まらなくなった。



『祐基の演出、みんな褒めてたよ。こうなったらいいな、あぁなったらいいな、そう思ってたところ全部想像以上の構成になってた…って。』



俺は、怖かったんだ。
自分の中で作り上げたものが自己完結になっていないか。みんなに伝わるのか。
怖かった。



『大丈夫。伝わってるよ。ありがとう祐基。』



あぁもう。どうしてくれんの。
涙、止まんねぇよ…。


祐「ツアー、成功させる。」


『うん！成功させよ！』


Aは僕の心の支え。

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