82番線 デート with タクヤ ページ34
拓弥 side
カラン。
氷が音を立てた。
俺は目の前にいる人物に目をやる。
『んーーーーまっ!!』
それはもうにっこにこの笑顔で。笑
タピオカミルクティーを飲んでいるA。
思わず笑ってしまう。
拓「うまそ。笑」
Aが食べたり飲んだりしているものは美味しそうに見えちゃう。
ケータリングも大抵Aがモグモグしているものにみんなが群がる。
まぁね、それはいいんだよ。
ただね……
『どーぞ、飲んでいいよ!』
ね。俺はこれを直して欲しい。
拓「…あのな、Aは女の子なんだよ?
男にそうなんでもかんでも差し出しちゃダメだよ。俺はともかく←」
『えー……でも、そうだよね…。
なんでもかんでもあげられたら相手も嫌だよね。うん…気をつける…!
でも、メンバーは別だから!!』
うん。そうだけど、そうじゃない。
まぁ……うん、いっか!!!
メンバーへの過度な接触は僕が止めよう。うん。そうしよ。
拓「…ん。これ美味しいね。」
『でしょー?ここの好きだなぁ。また来たいなぁ。』
拓「じゃあまた仕事帰りとか寄ろっか。」
『寄りたーい!!』
いつから、なんだろ。
メンバーとして認めたのは。
こんなにも、笑顔を見ただけで幸せな気持ちになるようになったのは。
こんなにも、誰にも渡したくないと思ったのは。
気づかない方がいい思いなのかもしれない…。
『……。』
ふとAの方を見ると少し不安げな顔をしていた。
やばい。不安にさせちゃった?
……どうやら違うらしい。
Aの視線は窓の外に向いていた。
外はたくさんの人が行き交っている。
特にこちらに気づいている人はいないようだ。
じゃあ……なぜ?
なんでそんな顔してるの?
拓「どうしたの。」
単刀直入に聞く。
『え、あ、…いやなんでもないよ笑
ちょっとボーッとしちゃったんだ笑』
あ。
髪触った。下向いた。
髪クルクルして遊びだした。
これ、不安定な時によくやってるよね。
……きっと、また何か1人で抱えてんだろ。
拓「だめ。」
『え?』
拓「もう、一人で抱え込むな。
不安なことあるなら言えよ。
……俺じゃ…頼りない?」
最後の一言を聞いたAはハッとした顔になる。
『そんなことないよ…!
……拓弥…みんなにはまだ、内緒にしてて欲しいの。』
今にも泣きそうな顔でAは話し始めた。
83番線 デート with タクヤ→←81番線 デート with タクヤ
209人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆに(プロフ) - かいらさん» ありがとうございます! できる限り晃一くんのお話はこれからも作っていくつもりなのでこれからも読んでいただけたら幸いです(*^^*) (2018年6月20日 22時) (レス) id: a71d73f79f (このIDを非表示/違反報告)
かいら(プロフ) - 面白くて、コーイチが出てくる話は自然と涙が出てきちゃいました…これからも更新頑張ってください!待ってます。 (2018年6月13日 13時) (レス) id: f9d0a6bd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - アリスさん» アリスさん!前回に引き続きコメほんとにありがとうございます! これからも楽しんでいただけるよう頑張りますね(*^^*) (2018年6月1日 20時) (レス) id: a71d73f79f (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 2度目ましてこんにちは!この前もコメントさせて貰いました!本当に応援しています!頑張ってください (2018年6月1日 19時) (レス) id: 0213cc33f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - まいかさん» ほんとですか!続編も読んで下さりありがとうございます!!これからもよろしくお願いします*\(^o^)/* (2018年5月29日 23時) (レス) id: a71d73f79f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆに | 作成日時:2018年5月29日 23時