ターゲット22 ページ23
Kai side
あまりの光景に顔が歪むのが自分でもわかる。
目を見開き倒れている晃一。
その喉は切り開かれ、床を這うように血が流れた跡があった。
あの時、一番最初に切り出してくれたのは晃一
だった。
目で、Aを頼むって伝えたあとすぐに敵に向かっていったのは、晃一だった。
ほんとにすごいことだと思う。
佑亮のことを見て、俺らは足が固まったように動かなくて。
もうどうしたらいいのかわかんなかった。
どうしたらAを守れる？
頭が真っ白になってフリーズしてた俺らのことを動かしてくれた。
誰よりも勇気があった。
いつもは食べてばっかで、やる気無さそうに見えて。
でも……ほんとは、一番みんなを見てる。
みんなを守りたい。
そう思ってくれる大黒柱みたいな存在。
まるで、僕らのお父さん。
晃一は、僕らに欠けちゃいけない大切な存在。
これからもみんなを陰から支えてね。
そっと、晃一の喉に触れる。
海「…っ！？」
俺はその場に崩れ落ちた。
頭に激しい痛み。
ぐわんぐわんと、視界が揺れる。
うぇ……気持ち悪い…
間髪入れずに喉元を何かが横切る。
シュッと軽い音がした。
目の前に赤色が飛び散る。
晃「今まで過ごした日々……ほんまに楽しかった」
イタズラな笑みを浮かべる晃一がすぐそばにいるような気がした。
スローモーションで視界が傾いていく中、俺はその笑顔に少しは笑い返せただろうか。
・
冷たい床の感触に目を覚ます。
目線だけで辺りを窺うと、そこには晃一の姿はなく、床に広がる血の跡もない。
少しずつ、少しずつ元の事務所へと戻りつつある。
今にでもみんなの笑い声が聞こえてきそうなのに、しんとした冷たさが現実を思い知らせてくる。
そう、もう俺はみんなの元へは帰れない。
海「俺もさ…ほんとに楽しかったんだよ晃一。みんなと笑って、遊んで、仕事して…。
そんな何気ない日々が本当に幸せだった…。」
笑ってるのにとめどない涙が頬を伝っていく。
ありがとう。こんな幸せを教えてくれて。
「残るは2人です。」
海「うん。絶対に幸せにする。
行かなきゃ。」
ほふく前進で佑亮の元へと向かう。
動いて、Aの元へ帰るまで諦めるわけにはいかない。
俺は決心を新たに力を強めた。
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ゆに(プロフ) - ノンノンさん» ありがとうございます(´；ω；｀) 頑張って更新続けていきます！ (2018年1月21日 22時) (
レス) id: 0eefd9f5bf (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン - つつぎ気になります！更新お願いします！ヨロ〜 (2017年12月22日 16時) (レス) id: ac1fe2bbf6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - ひなたさん» ひなたさん！ありがとうございます（泣 少しずつですが更新していきますので完結までどうかお付き合い下さい！ (2017年12月2日 10時) (レス) id: 0eefd9f5bf (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 続き、楽しみにしてます！頑張って下さい！これからも、応援してます！！ (2017年11月30日 0時) (レス) id: 37009b37c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - クソガキ推しさん» コメントありがとうございます(･_･、) ストーリーフィルムの感動を半減させることのないよう頑張りたいと思います！！ (2017年11月26日 0時) (レス) id: 0eefd9f5bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆに | 作成日時：2017年11月7日 13時
