雪のように積もる思い 2nd (ページ9)

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Shake body 3話ページ9

タ「俺な……Aのこと…バシッ」

すっかり私はタクヤくんに気を取られていてボールが飛んできたことにすら気づいていなかった。

タクヤくんは私の方を見たまま腕だけ動かして自分目掛けてきたボールを受け止めた。

タ「…カイ、お前わざとだろ」

カ「んー？なんのこと？？」

タ「かっちーん。たくちゃん怒ったぞー(棒読み」

タクヤくんから放たれたボールはものすごいスピードでカイさんの横を通り抜ける。

目をぱちくりさせて驚いてるみんな。

すけ「ヤバババババ！！！」

ユ「ごくり。これは本気でやらないと生き残れないぞ…。」

やで「ボール…探しに行かな…(とぼとぼ」

コ「あ、俺も敵の外野やけど、探すのは一緒にやるわ。」

リ、A(タクヤと同じチームでよかったぁぁぁあ！！！)

そのあともみんなで鬼ごっこしたり、サッカーしたり楽しい時間を過ごした。

汗をかいて濡れた体が少し冷たい。
でも、なんだろ。
あんなにモヤモヤしてた心が今はとてもスッキリしてる。

タ「なんかあったんでしょどうせ。」

そう言いながらアイスを差し出してくるタクヤくん。

『えっ』

タ「最近やっと笑うようになったと思ったのに、まーた暗い顔に戻ったからさ。
ジムに来た日この世の終わりみたいな顔してたよなA。」

『えへへ、そうだったっけかなぁ笑』

半分こに切れた二人用アイスを口に付ける。
喉の熱がすーっと引いていく感じがした。

タ「…どんなに辛いことがあってもここがAの場所だよ。ここがAが笑顔でいれる場所になってたらいいな。」

少しまゆを下げて自信なさげに呟くタクヤくんに胸がきゅうって締め付けられる。

『もう、なってるよ。だから、私は今日みんなに、タクヤくんに会いたくて気づいたらここに来てたんだから。』

頭にぽんとタクヤくんの手が乗る。

タ「だからさ、どんなに社会が敵だらけでも、俺らとなら素敵なことがあるじゃん？そう信じてれば必然的に俺らに会えるでしょ」

自信満々にそういう顔は何だか可愛らしくてふっと笑う。

なんだよ。と私の髪をわしゃわしゃするタクヤくん。

『私ね、タクヤくんのこと』

タ「好きだよ。俺、Aのこと好き。」

私の言葉に被せて言ったタクヤくんはカッコつけさせろよと笑った。

もう、私は負けない。

素敵な居場所を見つけたから。