雪のように積もる思い 2nd (ページ22)

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Secret Express 12話ページ22

Takuya side

今はAの婚約パーティーに出ている真っ最中。

妹の結婚相手…いつ見ても気に食わない。
なんであんな見るからに親に甘やかされて育ったやつにAをやんなきゃならないんだ。

ムカムカとした気持ちを抑えながらパーティーが進んでいくのを見守っていると…

先代がすっと部屋から抜け出していくのが目に入った。
おい。娘の大事な時に抜けんのかよ。
俺はすぐあとを追おうとしたが…周りからの視線が突き刺さる。

なるほど。
俺の周りを先代の仲間で固めたってわけね。
下手に動けないように。

このままじゃカイたちが危ない。
先代のことだ。良からぬことを企んでるはず。
…どうすれば…。

その時

パリンっ

何かが割れる音がした。

ユ「あぁぁあ！ドジっちゃった！！」

ユーキがテーブルに置いてあったツボを割った。とたんに後ろから誰かに口を塞がれる。

くっそ。誰だよ！！
俺が手を振り払い立ち上がるのと
周りがバタバタと倒れていくのは同時だった。

タ「……え…？」

ユ「っと。こんなもんかな。」

ニヤとユーキが口の橋をあげる。

すけ「カッコつけてる場合じゃないでしょ！早くしないと！！」

ユーキを引きずりながらユースケが部屋から走り去っていく。
待って。どういうこと？

やで「坊ちゃん。独断で行動してしまい申し訳ありません。それと、後ろからの乱暴な行動をお許しください。」

コ「先ほどユーキが持っていたのは強力な眠り薬です。事後のお伝えとなってしまい申し訳ありません。」

どうやら、俺は優秀な執事とボディーガードを持ったみたいだ。

さんきゅ。短く呟いて俺は保管庫へと走り出した。

後ろから

コ「私はAお嬢さまをお部屋にお連れしてから向かいますね！」

と声が聞こえたので俺は走るスピードを早めた。

俺が保管庫の扉を開けるとパンッと銃声が鳴った。
リョウガが苦しむ姿に目を見開く。

俺が…もう少し早く来てれば…。
頭に血が上るのが自分でもわかった。

すると誰かに身動きを封じられ、振り返るとしぃーっと人差し指を口に当てたカイがいた。

あれ？さっきリョウガのとこにいたよな？
瞬間移動？？

カ「俺にまかせて。タクヤはちょっとばかし悪役になってもらうね。」

イタズラに微笑んだカイの言う通り、俺はほんの少しだけ悪役になった。

これが、さっきまでの俺に起こったこと。
さぁ、駆け引きはもう終わりにしよう。