雪のように積もる思い 2nd (ページ13)

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Secret Express 3話ページ13

タ「…もうすぐ婚約パーティーだな。」

『はい、お兄様。』

タ「…俺の前では無理にマナー守らなくていいよ。」

『……どうしても結婚ってしなきゃダメかなぁ？』

私の前にいるのは私の兄で草川財閥の跡取り、草川拓弥。

タ「…まだ俺の権限じゃ取りやめにすることができないんだ…。ほんとに悪い。」

『……。』

ユ「…お嬢様…。」

すけ「…あの話はどうなったんですか…？」

やで「…あの話ってお嬢様の無茶ぶりのことでしょうか？婚約パーティーの最後に身につける大切な家宝ホワイトパールが盗まれたら結婚を取りやめること。」

彼は松尾太陽。お兄様の執事。とてもよく仕事が出来るジェントルマン。

『うん。代々結婚式で身につけられてきたホワイトパールがないと式は遂行できないでしょ？』

コ「…たぶん間に受けてるかどうかは知りませんが、奪いに来たやつなど返り討ちにしてくれるわ、と先代がおっしゃっていました。」

彼は吉野晃一。お兄様のボディガード。正直言ってユーキより頼りになりそう。

ユ「お嬢様、心の声がもれてます。ばっちり私の心を傷つけましたよ。」

子犬のような目で訴えてくるユーキは子供の頃から私のボディガードをしてくれてる。
どちらかというとユーキのドジのせいで怪我したことの方が多い。

ユ「もう、俺、辞職願出してきます。」

すけ「わわわ、ダメだって。お嬢様からかいすぎないでくださいよ。」

『ごめん、ユーキが可愛くていじめすぎた』

彼は福田佑亮。私の執事で忙しい兄に変わり、私の面倒をよく見てくれた。もう一人の兄のような存在。

『お父様はなんでそんなに余裕ぶってるの？』

コ「なんでも罠をいくつも仕掛けたそうで。それを知らずにこの前見回りのために足踏み入れたらこれですよ。」

コーイチの足には痛々しい傷跡があった。

『えっ！？ちょ、お父様も罠張ったことなんで言わないの…。痛かったよね…。』

コ「いえ、私は大丈夫ですので。…それよりも今回は本当に危ないと思いますよ。」

『…何が言いたいの。』

コ「もし、誰かがホワイトパールの保管庫に入ったなら…死にかねませんよ。」

入るなんて誰も言ってないのに念を押してくるコーイチ。

タ「とにかく、誰もあそこに近づくんじゃないぞ。」

私の頭には海さんのことが浮かんでいた。