青薔薇の剣は顕現する【ソードアートオンライン アリシゼーション】【刀剣乱舞】

018 認めるか、否か ページ19

全員大広間に集まった頃合で、私は口を開いた

「皆さん聞いてください!」

騒めきが消え、私に視線が集まる

「朝餉の前のこの時間で、1つ質問をしたいと思います

……この方を主と認めるか否か、皆さんの意見をお聞きしたい」

私は右隣にいた主を見る

主は心做しか……と言うより、完全に緊張が顔に浮かんでいる

まだ不安で、恐怖心もあるのだろう

──主さま、大丈夫ですよ。あなたなら出来る

心の中でそう伝えると、それが聞こえたかのように主が口を開いた

アスナ「半年前に審神者に就任しました、アスナと言います。本丸を持つのはここが初めてです

……正直、私はここのことをよく知りません。ここが少し前までどんな状態だったのかも少ししか知りませんし、皆さんがどんな苦しみを抱えているのか、私には計り知れません」

一瞬の沈黙の後、

和泉守「……じゃあ何でここに来たんだよ」

和泉守さんが呟いた

堀川「っ兼さん!」

それを止めるように堀川さんが彼の名前を呼んだ

それが引き金になり、それぞれが言いたいことを言い出す

──あれ、堀川さんの目、腫れてる……?

まだ和泉守さんを止めている堀川さんの目が腫れている

しかしそれが何故か分からないまま、主は息を吸い込んだ

アスナ「だからっ!!」

その大きな声に全員が気圧され、すぐに先程のような静寂が生まれた

アスナ「……だから、私はあなた達を知りたい。この本丸を助けたい。皆に愛される事の嬉しさを教えてあげたい!」

その時、部屋の中なのに風が吹いた

主の香りを纏ったその風が、霊力だと言うことに気づくのに時間は必要なかった

大広間にいた刀剣のうち、軽傷、中傷、重傷の傷全てが癒されていったからだ

三日月「……美しい霊力だ」

大典太「ああ」

数珠丸「このような霊力を感じるのは初めてです」

天下五剣を筆頭に、皆が感嘆の声を漏らした

ふと、三日月さんが立ち上がった

三日月「皆に聞こう。この者を主として良いか?」

その言葉に全員が頷いた

アスナ「ありがとうございます!!」

主が深々と頭を下げた

薬研「頭上げてくれや、大将」

信濃「うん!大将は頭下げるより笑ってた方が可愛いよ!」

アスナ「ありがとう……ありがとうっ……!」

「ちょっと主さま、泣きすぎですよ」

アスナ「……えへへ」

主の、目に涙を溜めたまま笑ったその顔に、不覚にもキュンとしてしまった

……そして、それは私だけじゃなかったのは別の話

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