Her Broken Hearts. (ページ49)

今日:36 hit、昨日:0 hit、合計:123,042 hit

☆ 13 ページ49

＊２人の未来＊
▼

.

「廉～！！んもぉ！遅い！早く行こーっ！」

付き合って３年目の記念日。

満面の笑みで俺の腕を引っ張るA。

『待てや(笑)荷物持ってんの俺やねんけど！？』

ふたりで買い物に出掛ければ

服好きの俺たちは財布の底を忘れてしまう。

もちろんの如く、荷物係りは俺なのだが

何せ両手いっぱいに買い物袋を抱えてるから

…Aの手は繋がれへんし。

…挙げ句の果てに置いていくし。

…遅いとか言うし。

Aも俺と似て金遣い荒いからな(￣▽￣)

金銭感覚が似てる彼女で良かったと思うわ。笑

「わぁぁあ！！可愛いっ！♡可愛すぎるっ！」

両肩がそろそろパンクしそうになってる俺を他所に

なにやら可愛い犬でも見つけたのか

Aが数メートル先のペットショップへ消えた。

『ん？なに？どの子？』

「この子っ！ゴールデンレトリバーの仔犬だよ？！

可愛すぎる…はぁ…どおしよ」

『どおしよってなんやねん。笑』

「…恋煩いだよ、これ。」

『アホか。笑』

目の前のワンコロも、Aのことを見つめ

Aもそのワンコロを愛おしそうに見つめている。

揃いも揃って、目ぇキュルキュルッてさせて

…、可愛すぎかよ。笑

『…飼う？』

「へっ？！？！何言ってんの？！」

『だから、こいつ、飼うかって。』

「え、飼えないよ！笑」

『…、、、』

「廉？どうしたの？笑」

俺が言いたいのは、そんなことじゃない。

誰も、お前に飼えなんて言うてない。

あぁあぁあぁーーーーも！！！

俺は何を口走っとんねん。

『すんません！、この子、買います！』

「え？！廉が飼うの？！！」

『ちゃう。』

「えっ！？！なに？！意味わかんないんだけど！笑」

Aはなにやら楽しそうだ。

突然の俺の行動に驚きを隠せないあまり

笑いを堪え切れてない。

その場でカードを切る。

店員さんも、勢いのありすぎる俺の即決に

驚いて半信半疑かのように確認事項を進めていく。

一緒に必要なものもAに選ばせ買い揃え

Aがキョトンとしてる間に

ワンコロを引き取る準備が整った。

『A、その子抱っこして連れて来て。』

「えっ、うん、わかったぁ、」

ものすごい勢いで、連れて帰って来てしまった。

…順番も間違えてる。

でもしゃあないやん。

もう、見えてもうたんやもん。

俺のそばでワンコロと幸せそうに暮らすAを。

▲