☆ 12 ページ48
＊"猫"のお話＊
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付き合い始めて半年ほどが経つ。
そして
俺が長年、想いを寄せていたAは
彼女になって時が経てば経つほど
どんどん俺を振り回していくのだった。
彼女は思っていた通りの "犬タイプ"
ではなく…‼
まさかの
完全に
＜ツンデレな "飼い猫" タイプ＞
であることが判明。
…いや、まじか。
これはかんっぜんに想定外よ…？
甘えたい、尽くしたい、全力で好き！！
な感じやったやんか、ずっと。
あの無駄に振られてた時期のAはどこいった？
ソファで真横にピッタリくっつけば
「んもぉ！暑いっ！！」と蹴られ。
キッチンに立つ後ろ姿に抱きつけば
「…刺すよ？」と睨まれ。
床に座ってるAの肩に足を乗せれば
「……。」…、、、むしろスルーでした。
でも唯一…唯一、、、この瞬間だけは…
『…ん？どしたん？』
「…もっとくっつきたい。」
寝る直前、１つの布団に２人で潜り込めば
必ずと言っていいほどAから密着して来るのだ。
俺はこの時間が楽しみで仕方ない。
そして、いつもこの瞬間に
無防備にも俺の胸はAに鷲掴みにされてしまう。
『出た、くっつき虫。』
「…虫じゃないもん。」
『はいはい。』
なんて、余裕ぶったように見せてるけど
内心ではAがあまりにも可愛すぎて
愛おしいと思う気持ちが溢れすぎて
Aを潰してしまうんじゃないかというほどに
強く抱き締めてしまうのだけど
そんなんでもAは、嬉しそうに頬を緩ませる。
『苦しくない？』
「苦しいくらいがすきなの。」
『…じゃ、もっとやな。』
昼間や人前じゃ、恥ずかしさ故に
天邪鬼になってしまうAだから
絶対にこんなことできない。
ここぞとばかりにベタベタ・イチャイチャ
あっまあまな時間を過ごすのだけど
その時Aは、本当に幸せそうな表情を浮かべる。
そのツンデレなギャップが
俺の心を掴んで離さない。
付き合うまでだって
俺はずっとAを大切に思っていたのだが
今やもうそのバロメーターが数値を表せないほど。
きっと俺はもう一生、Aを手放せない。
…離してやれない。
でもそれは、Aだって同じこと。
だって今もほら。
「…ｽｰｽｰｯ」
眠っているのに
俺の腰に回る腕は…
…絶対解かれへんほど強くホールドしてるんやもん。
▲ 完。
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月27日 17時
