Her Broken Hearts. (ページ38)

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あまりにびっくりしたAは

反射的に手を引っ込めようとしたが、それは想定内。

だから強く握り返して、

離してしまわないように捕まえておいた。

内心めちゃくちゃドキドキしているであろうAは

窓を外を眺めながらも、固まった体は妙にぎこちない

『ふはっ(笑)可愛すぎやろお前。笑』

俺のその一言に、Aが反応してこちらを向くが

「なによ…っ！笑わないでよ…っ！」

また、すぐにそっぽを向いてしまった。

けど、カチコチになっているのは隠せてない。笑

『A、力抜いて深呼吸してみ？』

「……、、、ｽｰｰｰｰｰｯ、ﾌｩｰｰｰｰｰｰ…」

『緊張、ちょっとはマシなった？』

「…、、、全然なんない。」

『ふはっ(笑)あかんかったか。笑』

「…でも、幸せって感じられた、かも？///」

『…ん、俺も幸せや。』

そう伝えて俺が手を少し強めると

Aは握った俺の手を自分の方へ持って行き

両手で包み込んだ。…というよりニギニギし始めた。

『ん？なに？マッサージしてくれんの？笑』

「…ちがうー、こうしてる方が落ち着くの。」

『ふはっ(笑)そうなのね。笑』

「廉は運転に集中してて。」

AはAなりに、俺とスキンシップを

取ろうとしてくれてるのがわかるけど…

ウブだから、なのか。

それともAオリジナルなのかは謎だが

その独特のスキンシップがなんとも愛らしくて

たまらなく、心を掴まれてしまった俺は

もちろんその後、運転に集中なんてできなかった。

晩ご飯も食べ終わり、夜道のドライブを再開させた。

次に目指す場所は、夜になって静けさを増す海。

キラキラして見えるし、星も見えるし、

波の音も聞こえてすごい好きなの！と

前に、優太に熱弁していたのを聞いていたから。

そこに着いたAは案の定、嬉しそうに微笑んだ。

車を降りて、先に進むAに追いつけば

隣に並んで手を差し出す。

『…ん、、、手、繋ご？』

Aは差し出された俺の手を見つめると

今度は困り眉にして、俺を見上げた。

優しく微笑むとその後、Aの視線は手に戻り

ゆっくり、その手に自分の手を重ねた。

『よし、行こか。』

「…うんっ///」

照れて、急に女の子らしくなったAの指に

タイミングを見計らって自分の指を絡める。

Aを一瞥すると、俺に引っ張られるがまま

ギュッと目を閉じて、ドキドキに耐えていた。

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