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「おい!廉!ちょっと助けてくれ!」



テキトーに、"その辺のどうでもええ女" 相手に

相槌を打っていれば、突然優太に呼ばれた。





『ちょっとごめん、呼ばれたから行くわ』


と、そいつらに言えば



"ええ〜!もう行っちゃうの?"

"戻ってきてね♡"


などの、甘ったるい声が背後に聞こえたが

優太の方に向かだていると視界に入ってくる状況に

もともと戻る気はなかったが、更にその気が失せた。





「Aのこと、連れて帰ってあげてくれない?」



俺の目の前には、誰の輪に入ることもなく

さっきまでせかせかと働きまわっていたAが

飲めないお酒を手に握りしめたまま伏せ寝していた。





『はっ?!A、何倍飲んだ?!』


「たぶん、これ全部…?だよね?マスター」



マスターが首を縦に振って俺が絶望的になった理由は

Aの手元に空になったグラスが5個。

それと半分だけ飲んだ6個目のグラス。





『マスター、こいつ変なことしてなかったっすか?』


「うん。ずっと大人しく飲んでたよ?

みんなのとこ行ったら?って言っても、いいって。」


『…っはぁ、、、よかった…。』



俺は、ひとまず安心した。

誰も被害にあっていないことに、というより

Aが誰にも触れていないことに。





『んなもうこいつ連れて、俺も帰るわ。』


「おう、悪いな!」


「ごめんね、廉くん。」


『ええって、主役にこいつの世話させるのは

俺も気ぃ引けるしな(笑)もう戻ってくれてええよ』






主役2人を仲間の元へ戻らせて

俺は、自分とAの分の荷物とコートを取る。


完全に寝入っているであろうAが

声を掛けたところで起きないのは目に見えているので

俺は、Aにコートを巻きつけて

手元に置きっぱなしになっていた携帯を鞄に仕舞う。





「君が、廉くんなんだね。」


と、突然マスターに話しかけられれば



「その子がずっと

"廉のバカ" って泣きそうになってたから…」


『…そうだったんすね。』



眠っているAを見れば

少しだけ、目元に涙の跡が残ってしまっていた。



Aを背負ってみんなに声を掛ける。



「背負って帰るのっ?」


『こいつ酒癖悪いから起こすよりマシ。笑』



改めて2人におめでとうと伝え、

外で待つタクシーへ向かった。





" えっ、、、廉くんAさんと…っ、、、?"

などという声には無視をして。





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作者名:Raine. | 作成日時:2020年5月27日 17時

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