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「…っ、、、何年かかるかわかんないよ。」


『何年でも待ったる。…そんなんいくらでも。

…Aの心が、きちんと答え出せる日まで。』


「……っ…グズッ…、廉が…目移りしちゃうかも。」


『するわけない。30歳までは遊ぶってのも

…本当はもうとっくに遊びなんかやめてる。

俺はずっと、Aしか見てない。』


「……っ、、、グズッ…、、廉…っ、」



公園のベンチで、大の大人が泣き崩れていく。


夜、人気は全くない。誰も見ていないのに

…Aを隠すためやから。という言い訳をして

そっと、その華奢な体を横から包み込んだ。





「…なんで…っ、そんなに想ってくれるの…っ、

私…今まで男の人に大事にされたことなんてないから

こんなの、頭も心も追いつかないよ…っ、グズッ…」


『俺に愛されるためだけに生まれてきたんやろ』


「そんなキザなこと平気で言わないで…っ!

廉じゃないみたい…っ、グズッ…」


『ふはっ(笑)割と必死よ?俺。笑

好きな子にやっと振り向いてもらえたと思ったら

今度は付き合って貰われへんみたいやしな。笑』



普段より一層、小さく感じるAは

荒れる呼吸に肩を震わせながら

依然として、俺の腕に収まったまま。


このまま自分のものにしてしまいたい…、


そんな願いを今は仕舞い込んで

これから俺は、Aを待つだけなんだ。





『…待たせてるなんて思わんでいいし

ゆっくり俺のとこ来れる準備してくれたらいいから』


「……、、、うん…っ、」


『…どうしてもの時は、優太のこと頼りや?

…俺は、その日まで何もしてやれんから。な?』


「…うん、」





不意に視線を上げれば

ポツンとひとつだけ設置されたライトが

咲き始めの桜を映し出していた。


来年の今頃は…、

Aと笑って見上げられるのだろうか。



そうだといいな、と願いながら

久しぶりにAを家まで送り、俺も帰路についた。









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心の通わぬやりとりばかり

これ以上繰り返すよりも

あなたの心が答え出すまで

このまま2人会わない方が

それが明日でも5年先でも

いつでもここで待ってるから


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たまたまつけた音楽番組。


流れてきた曲が、心に真っ直ぐに響いて

Aを想う涙が、柄にもなく

溢れ出してしまいそうだった。





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作者名:Raine. | 作成日時:2020年5月27日 17時

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