Her Broken Hearts. (ページ28)

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やっとAが言った言葉の意味を理解した俺は

あまりにも驚きすぎて。

『……、、、は…？』

と声が漏れ、そのまま口を開けて固まっていた。

やっと俺の聞きたかった言葉を言ってくれたAは

少しずつ、なぜか目を涙で潤ませていく。

『…じゃ、じゃあ…、俺と付き合って。』

初めて口にした提案。

何年間も募らせてきた想い。

ようやく、Aに届いた。

これでAは、俺だけのものになる…

…そう、思ったのに。

彼女は首を横に振った。

『…、、、…なんで…っ、』

…そう簡単には、俺の望み通りにならないらしい。

「…怖い。…私、廉に飛び込むのが怖い…、、、」

『…どういうこと、』

「…あの日廉を傷つけて、失いかけたとき

私、どうしていいかわかんなかった。

どうしようもない程、廉が大切なんだって気付いて…

もう絶対失いたくないと思ってる。」

『…やったらなんで…っ…？？』

俺はAのことが大事で、Aも俺が大事。

それだけじゃあかんの？？

俺はAのことだけを見てる。

Aにも同じように俺のことだけ見ていて欲しい。

俺がAの不安を取り除いてみせるから

一緒に幸せになっていきたい、ただそれだけなのに…

…彼女にとっては、きっと何かがダメなんだろう。

「…、、、自信がない。…なにも自信がないの。

廉と付き合っても、ずっと好きでいてもらえるとは

限らないじゃん…、もしかしたら飽きが来るかも。」

『…来るわけないやろ。そんなん、』

「…それに、…また自分が壊れちゃいそうで…っ、

覚悟ができてないの、廉の彼女としてそばにいる…」

『一緒に幸せになるのに、覚悟とか要るん？』

「…私には必要なの。

ほんと私…、拗らせすぎだよね…っ、ごめん…」

Aは、悲しそうに微笑んだ。

簡単に恋愛を始めることなどできないほどに

もうとっくの昔からゴールの見えない迷路に

迷い込んでしまっているのだろう。

『俺には、解決してやれんの…？

いつもみたいに…どうしよって頼ってくれへんの？』

「…もう、廉に頼るわけにはいかないよ…っ、

私、ちゃんと自立しなきゃ…っ、、、」

Aを見つめてみても、何を言ってみても

きっと今のAは俺を受け入れない。

なら…

『…じゃあ俺、待ってるから。

Aが俺んとこ来てくれる覚悟できるまで。』

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