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「おい！廉！Aとどうなってんだよ…っ！」
あの日以来ご無沙汰だった優太が
突然、俺を訪ねてきたと思えば
第一声から俺を動揺させた。
怖くて会えないと逃げていたAの話だったから。
『…どうって、、、』
「あいつに呼び出されたと思ったら、突然
"最近、廉どうしてる？" って聞かれたんだよ！」
Aが、少しでも俺を気にしていると知って
それだけで俺は胸が締め付けられる程に嬉しくなる。
…もっと気にして。…もっと悩んで。
少しでいいからAの眼中に入りたかった。
好きな人相手に "嫌い" なんて言ってしまった分際で
今更、何を望んでいるんだろうとも思う。
矛盾しまくり…最低や、俺は。
『…ごめん優太…、俺が…俺が悪いだけやねん…』
Aが悲しんでいる時にさらに苦しめてしまった。
Aが望む俺のままでいることを諦めてしまった。
１ヶ月、２ヶ月…音沙汰なしなんて
普段の俺らからしたら当たり前のことだけど
今回は違った。
きっとお互い、距離を感じてることに気付いてる。
解っていて連絡しない。
じゃなくて、連絡できないんだ。
だからこうしてAも、優太越しに俺を確認する。
「なんだよ、２人して自分が悪いんだとか言って！」
"俺、板挟みされてんのも辛いんだけど。" と
初めて愚痴を零した優太に
もう、伝えなければならないのかもしれない。
けれど、
「廉、いい加減、早く素直になれよ。
A本当に離れて行っちゃうよ？いいの？」
優太はすでに知っていた。俺の気持ちを…
『…ぇ、、、なんで…っ？』
「そりゃあずっと側に居ますから。気付きますよ？」
『うそやん…、まじか…』
「だから俺、２人のことめっちゃ誘ってたのに。
廉、イケメンなのにビビって全然行動しないから。」
その後、俺はダラダラと
長年拗らせたA想いを優太に聞かせた。
そして結局、俺とAとの間に何があったのかは
触れないでいてくれた優太は、最終的に
「とにかく、Aとちゃんと向き合え。な？」
Aのことになると
とことんヘタレになる俺の背中を強く押してくれた。
______prrrrr…、prrrrr…、
「…はい。」
『…廉やけど。』
「…うん。」
『…話したい。』
意を決して、俺はAに会いに行った。
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月27日 17時
