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『…、Aごめん、俺はお前を抱かれへん。』
Aの瞳の奥に掛かる影を探すように見つめるけど
もうなにも読めないほどに真っ暗な状態だと悟った。
「…っ、、、なんで…っ、私が処女だから…っ？」
『…ちゃうよ。』
「処女だから、面倒臭いんでしょ…っ、、、」
『…ちゃうって。』
すっかりAのコンプレックスと化している
"25歳にもなって" 処女であるという事実。
否定しようにも、彼女はそれを受け付けない。
「じゃあなんで…っ、私には…っ
男の欲を満たせるものを感じないから…っ？」
『…っ、、、お前、それ…』
…何年も前に優太が言うたことやん
あの時の言葉…
『…まだ、気にしてたん？』
「だってそうでしょ…っ！…っ、もうやだ…っ、」
『アイツは別にそんなつもりじゃ…っ！』
「わかってるけどそう思っちゃうの…っ！！」
Aが意外と繊細だってことを
危うく忘れてしまうところだった。
人一倍気が強く見られがちやけど
中身は繊細で、本当は誰よりも優しい。
『…ちゃう。ちゃうよ。お前はちゃんと女の子やで』
泣き暴れ出すAを、宥めるように強く抱き締めて
慎重に言葉を選んでみても
まだ、俺の腕の中で乱れ続けている。
「…でもっ、廉だって私のこと抱けないじゃん。
他のダッサイ女はいくらでも抱いてるくせに…っ！」
『…、、、…っ…！！』
「…なのになんで、なんで私はダメなの…っ、」
なんでって…そんなの答えは１つに決まってる。
自暴自棄になってしまっているAに
今は何を言っても効果がないことくらいわかってる。
でも、こんなに乱れられたら
俺だって言わな気ぃ済まんくなるやろ…っ、
『…そんなん…っ、、、
お前のことが大事やからに決まってるやろ…！！』
「…、、、なにそれ…っ、意味わかんない…っ、」
『その辺のどうでもええ女とは違うって言ってんの』
「なにがどう違うの…っ、もうわかんない…っ、
こんなことならそのどうでもええ女になりたい…っ」
『…アホか。そんなこと言うなやボケ…、、、』
20連敗を回避できても
Aが壊れてしまうなら意味ないやんか…っ、
お前が20連敗したら俺も落ち着く言うてんのに…アホ
"俺がまだ残ってる" って、そう言うたやん、俺…っ
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月27日 17時
