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「え！？また振られたの？笑」
「…ふっ笑」
ガヤガヤした大衆居酒屋チェーン店の端の席
向かい合った目の前の席には
自称イケてるメンズが約２名
ビール片手に座っていらっしゃるのだけど
この人たちにとってみれば
私の身を削った失恋話など
酒のつまみ程度のものなのだ。
なんとも悔しい話で…
優太はバカだけどまだマシな方で
素直に反応してくれるだけ救われるけど
優太にベッタリと体を付けて座るいけ好かない男
永瀬廉は、また、鼻で笑いよる。
なんなんだよ…っ、
自分はモテるからって…っ、
２人は高校時代からの男友達で
でも、こんなに仲良くなったのは
大学に入ってからだっけ？？
私たちはバス通学をしていて
クラスでも少数派だったから
気が付けば、毎日一緒に帰るようになっていた。
…というより、
事実、私は高校時代に
優太のことが好きだった時期がある。
そのために頑張って
優太と仲良くなろうと試みたのだが
なぜかその頃から優太にベッタリな廉が
ハイスペックすぎる(←自称) "おまけ" として
ついて来てしまったのだ…
結局、優太に告白したものの
気持ちには応えられないと、
あれはまだ、10連敗目ぐらいだっただろうか。
私たち３人は別々の大学に進んだものの
優太と廉が2人で飲んでいた時に
ノリで私を誘おうという話になり
そこに私が参加してからというもの
この３人の会は恒例化したのだ。
たまに、優太と廉が２人で
飲みのいう名の密会をしているのには
少し気に食わないが。
まあ、男同士しっぽりと…
的なものがあるのだろうかと思っている。
「で？今度はどんな奴だったの？笑」
『えっとね、身長が185cmもあるの！』
「え！廉よりでけぇじゃんっ！」
『ガタイがめっちゃ良くてね！』
「えっ！俺より…っ？」
『優太より身長あるからあの人の方が大きく見える』
「おいっ、まじかよぉ〜、勘弁してくれヨォ〜」
『でもねぇ〜、ちょっとモブ男ちっくかも。笑』
私と優太が盛り上がってる中
廉はと言うと
私の失恋ネタは聞き飽きているからなのか
聞いてるのか聞いてないのか微妙な顔。
ただ黙って
私がひと口飲んで余らせたお酒と
優太が大量に頼んだ枝豆を消費してくれている。
これも、
私たちのお決まりスタイルなのだ。
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月27日 17時
