私は誰。 ページ6
「A、今日は妖術の特訓だろ？行ってこいよ。遅れるとぬらり……怖ぇぞ？」
「大王様ぁ……だって、私妖術ダメダメで…1つも技なんて出せない…だめ妖怪ですよ…」
「そんな事ねぇよ。大丈夫だ。いつか妖術が出せるようになる。」
大王様がそっと額に触れてくれた。
「頑張ります！大王様！」
私はぬらりひょんさんの元へ走った。
＿＿＿＿＿＿
＿
「A、今日は火をだす妖術の練習だ。」
ぬらりひょんさんが力を込めろと言ったので私は精一杯力を込めるが何にも起きない。
「ダメダメな妖怪ですね……私。」
「……そんな事はない……。A、本当はお前は……」
ぬらりひょんさんが何かを言おうとした時、
「A。」
「大王様？お仕事は…？」
「終わらした。妖術は難しいんだよなぁ。A、駄菓子でも食べるか？」
「はいっ！」
私はぬらりひょんさんに頭を下げ、大王様の後について行った。
＿＿＿
＿
「リンゴ飴美味しいか？」
「はいっ！」
大王様は、こんなダメダメ妖怪の私にとても良くしてくれる。
捨てられていた赤ん坊だった私を拾って、育ててくれたらしい。
「なぁ。A？」
「はい！なんでしょうか？」
「俺の事好きか？」
「もちろんです！大好きです！」
「そうか。」
大王様は、優しく微笑んで私の頭を撫でた。
「俺もAを愛してる。」
「ん？」
愛してる？
「…あ…ありがとうございます！」
私はお礼を言って立ち去ろうとした時
「あ、A。何回も言っているが、妖魔特急には絶対に乗るなよ。いいな？」
大王様は、この言葉を言う時いつも怖い。
妖魔特急って普通の電車なのに。何がダメなんだろうなぁ。
私は、妖魔特急に乗ったことがない。
「分かりました。」
「ん。いい子だ。」
大王様は、また元の笑顔に戻った。
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