ボトルの中の金髪さん。 ページ11
「えっ。」
野原に捨てられていた空のはずの小さなペットボトルに小さな少年が入っていた。
「やっと気づいたか。」
小さな金髪の少年はやれやれという顔つきで私をみた。
「ここから出せ。」
なんて偉そうな少年なんだ。
「知らない子は助けないよ。あと、上から目線も✕。」
「むっ。……俺はエンマ！……でここから出してくれ……」
小さな声で頼むエンマという少年がすこし可愛いなと思いながら、
「よろしい。出してやろう。」
私はボトルを家に持ち帰った。
＿＿＿＿＿＿＿＿
＿
「ふぃー生き返ったぜー」
キャップの蓋で水を飲んでいる少年
キャップの蓋でも大きすぎて大変そうだ。
ペットボトルは、カッターで半分に切りエンマを救出した。
「なんでエンマはあんな所にいたの。」
「気づいたらあんな所に居たんだよ。まったく。大変だったぜ……アリが入ってくるわ、犬にペットボトルが潰されそうになるわ…。」
「それは災難だったね…」
「まぁ、Aに助けて貰ったから一件落着だ！」
エンマはニコッと笑うので、つい指で優しくエンマの頭を押した。
「っおい！倒れるだろ！？」
「ふふっ、ごめんごめん。なんか可愛くてつい。」
「……。俺、お前より一応年上だぞ…」
「えー？嘘言わないでよ」
「言わねぇーよ」
その後エンマとは、いろいろ話した。
学校の事や友達のこと、いろいろ。
私の話ばっかりだったけど、エンマはちゃんと聞いてくれて、笑ってくれたり、とても楽しかった。
数時間後
「ご飯食べる……って……エンマ消えてる！？」
「……時間か……。…A助けてくれてありがとな。あと、話もとても楽しかった。」
「えっ何、もう会えないの？」
「……どっかで会えるさ。」
「どっかってどこ…？」
エンマは私の肩に乗り
そっと私の頬にキスをした。
「えっ。」
「またな。A」
エンマはニコッと笑い、消えていった。
＊＊＊
私は窓辺にエンマと出会ったあのペットボトルを置いている。
また彼に会える日を信じて。
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