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× P-P < 雨の 日 は > ページ7

『… あ 、雨 … 』


仕事 が 終わり 会社 から 外へ 出る 。すると ぽつ と 雨音 が 聞こえたか と 顔を 上げれば 沢山 の 雨粒 が 空から 降って きて いた 。

今日 は 傘 なんて 持ってきて なかった 。降水確率 は 32 % だった のに 、と 溜息 を 吐く 。

雨 は 好き じゃなかった 。空 は 雨雲 が 覆い 日を 隠して しまう 。本来 の 空の 美しさ が 半減 して しまう ようで 、一概 に 好き とは 言えない 。

さて 、走って 帰ろうか 。こんな時 に 頼れる 彼氏 が 居たら いいのに と 世の中 の 不平等 さ に 呆れ つつ


『… よし 、』


覚悟 を 決めて 走り だそう と 一息 ついた その時 だった


「… あの っ !」


誰か が 誰か を 呼び止める 声 が 聞こえた 。誰宛 だろう と 思考 するが 、此処には 私 と その 声の 主 しか 居ない 。必然的に 声の 宛 は 私 と なる訳で


「な 、なんですか ?」

『僕 、傘 持ってきてる ので … 送りますよ ?』

「え ? あ 、いやいや 、申し訳 ないですよ … 」

『… これでも ?』


声の 主 … 彼は 何処から か 眼鏡 を 取り出し 自分 に かける 。一連の 行動 を 眺めてから 、彼の 容姿 が 昔の 記憶 と 一致 した


「… え ? P-P くん 、!?」

『も 〜 、やっと 気付いて くれた !A 鈍感 すぎる って 〜 』


そう 言いながら 楽しそう に 笑う 彼 。まさか 、こんな 所 で 再会 するとは 。
彼の 爽やか な 印象 と 声 は 変わっていなくて 、何処か 安心 して しまう


「新しく 入ってきた 時 から 気付いて たんだよ 〜 ? 眼鏡 だけで そんな 変わる 〜 ? 」

『え 、え 、全然 気付かなかった 、なんか … 』


かっこよく なった 。今 で 言う 垢抜けた と いう もの だろうか 。変に 意識 して しまう 自分 が 恥ずかしい
言葉 に 詰まった 私 を 見て 、彼は 気遣う ように


「送ってくよ ? 傘 忘れたん でしょ 」

『あ 、うん … ごめんね … 』

「気にしなくて いいよ ! 話す 口実 も 出来たし 」


彼 は 傘 を ぱ と 広げ 、反対側 に 来るよう 促す 。私 は そのまま 彼の 横へと 。肩 同士 が 付きそう な 距離 。何となく 照れくさくて 少し 離れよう と すると 、彼の 大きな手と 腕が 私 の 肩を 抱き 寄せた

いきなり の 展開 に 状況 が 飲み込めず いると


「… A 、あのね 、ずっと 言いたかったの
  僕 の 初恋 だって 。」


雨の日 も 、悪くない の かも しれない 。

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作者名:転生 の はち | 作成日時:2021年6月13日 19時

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