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散歩 ページ10

パラガスは仕事があるのでこれで、と早々に食堂から去っていった。
会話をしている間にブロリーの食事は終わったようだが(彼の目の前に山のように食器が積まれている)、まだ食べ足りないのか先ほどAも食べた硬くてまずいパンをちまちまとちぎりながら食べている。
「ブロリーさん、食事が終わったら少し外へ散歩に行って見たいのですがよいですか?」
Aはブロリーに声を掛ける。彼はこちらを一瞬見て、すぐにパンの残りに取り掛かった。それが彼の了解の意なのだろうか。

本当に反応の薄い人だ、と思う。初めて彼をあの丘で見かけた時はそうは思わなかったが、彼と少なからず関わるうちに印象が変わった。
陰鬱で、例えるなら人形のような男だと感じる。この男の父親は胡散臭いが、息子は不気味だ。

ただ何となく、彼がたまに寄越してくる視線には、何かの感情が孕んでいるような気がしていた。

ブロリーを連れ、宮殿の中をまずは見て歩くことにした。
大きな宮殿ではあるが、急ごしらえなのか内部はお世辞にも綺麗とは言い難い。一部の部屋はなんの用途のためにあるのか不明だった為、都度ブロリーに質問をした。質問をすれば答えを返してくれるが、会話のキャッチボールには至らない。居心地の悪さに次第に殆ど質問をしなくなり、気ままに歩いているAの後ろを黙ってブロリーがついていくだけのような形になっていた。

ひときしり内部を探検し、外に出るための廊下を歩いていると、この場所にふさわしくない甘い香りが鼻をくすぐった。
ーそういえばそろそろお昼の時間なのかな?この匂いは、バターの香りかな。
近くに調理場があるのか、多少慌ただしい音も聞こえてくる。王国の再建、というぐらいなのだからきっと働く人も多く作る食事の量も多いのか、と考える。
ここまで歩いて来たが、不思議なことにブロリーとパラガス、昨日会った研究者のようなタコ以外と出会ってはいない。皆どこにいるのだろう。

突然背後からググーーーっと、大きな腹の音が聞こえた。
「…」
それはもはやAの後ろを着いて来ているだけの男の腹から響いていた。巨大な音に驚き振り向くと、ブロリーは無表情のまま腹を撫でている。
「朝にあれだけ食べたのに、もうお腹が空いたんですか…」
呆れ半分にAが言った。サイヤ人というのは、なんて燃費の悪い種族なんだろうと思った。

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設定タグ:ブロリー , 夢小説 , ドラゴンボール   
作品ジャンル:アニメ
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…!現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います!本当にありがとうございます! (2019年6月24日 13時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています! (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます!ぜひこの作品を完結させて下さい! (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜!!何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます!! (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか?パラガス書いてくれますか?ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ストロー | 作成日時:2019年3月12日 22時

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