彼の言葉 ページ6
Aを抱え、ブロリーは灯りもまともにない、石で出来た廊下を無言で歩いていた。
空が暗くなっており、廊下の窓にはガラスが嵌っていないため夜風がそのまま身体に吹き付けてくる。陰鬱で機械だらけの部屋から出ることができて、さらに涼しい風が身体を撫でてくるのでAは多少の冷静さを取り戻しつつあった。
「すいません、一人で歩け、ます」
いつまでも男に抱えられているのは何だか申し訳ない気分になり、自分を運ぶブロリーに控えめに声を掛けた。身体の震えはいつの間にか止まっており、声を出せるようになっている。しかしブロリーは何も反応しなかった。こちらを一瞥することもない。
彼女を降ろすこともせずただ淡々と歩いている。今までの様子から見て自分の依頼が聞き届けられることはなさそうだと判断して、別の話題を振ることにした。
「助けて頂いてありがとうございます」
漸く言えたお礼の言葉には反応したのか、ようやくこちらに視線を寄越した。
「…いえ」
それだけ言ってまた前を向いてしまった。もちろんその顔からは感情を伺い知ることもできない
Aが一人気まずい思いをしていると、ブロリーは扉の前で立ち止まった。器用にAの身体を片手で支え、ドアを開けてベッドの上に多少乱暴に彼女を下ろした。
部屋は広いわけではなく、窓はない。ベッドと机があるだけのとても質素な部屋だ。
部屋の中を見回していると今まで一言も喋らなかったブロリーが唐突に喋り出した。
「あまり一人で出歩かない方がいい…です。柄の悪い連中もいます。明日の朝迎えにきます」
低い声でゆっくり話をするがどこか機械的だ。まるでそう言え、と命令されたような。
「わかりました。ありがとうございます」
Aが承諾の言葉を述べると、ブロリーは踵を返し部屋から出て行こうとした。
「あ、ブロリーさん、待ってください」
返した踵はそのままに、立ち止まり上半身だけこちらに向けた。Aは今までの反応からまた無視されると踏んでいたので少々驚いた。
「本当に、私の星は、失くなってしまったのですか…？」
ーーーそれはほんの一瞬。
ブロリーの目が大きく見開いた。そして目をすぐに細め
「みんな消えた」
とだけ告げ去ってった。
その反応が今までのようなものではないので彼女は少し小首を傾げた。
が、一人になれたことにより凄まじい悲しみが再度襲ってきたので、それについて考えることはなかった。
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…！現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います！本当にありがとうございます！ (2019年6月24日 13時) (
レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています！ (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます！ぜひこの作品を完結させて下さい！ (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜！！何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます！！ (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか？パラガス書いてくれますか？ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ストロー | 作成日時：2019年3月12日 22時
