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真実 ページ39

男は静かに淡々と、茫然としている女に説明をする。その瞳の奥には女の様子を観察する暗い意図が見えた。
「俺と親父はお前の星を襲ったんだ。親父はお前の種族の身体を使えば弱い戦士を強化することができる…薬が手に入ると言っていたな」
「くす…り?身体を強化?」
事態を今だ呑み込めていない様子の女に、ブロリーは若干の苛立ちを感じながら更に説明を続けた。
「そうだ、つまりお前達の身体は材料だ。この様子だとすでにかなりの数が殺されたようだな」

言われてAは固まりかけた身体を無理やり動かし改めて周囲を見渡すと、空いている檻もいくつか存在していることに気が付く。
檻の数は視界に入るだけでも10数個はあり、その半数は空だった。
檻の中にまだ無傷で残っているグループもあったが、それらは何かされてしまっているのか一様にうなだれてほとんど動こうとしない。
「どうしてそんなひどいことを」
「俺に聞くな。知らん」
ブロリーは女の言葉を遮るように言った。その語気の若干の強さに女はびくりと肩を震わせる。
「私の星が無くなったというのも…」

「俺が消した」

腰から何かが抜けるような感覚がAを襲い、そのまま尻を固く冷たい床につけた。
次に強烈な寒気、怖気が身体を貫いた。いうことを聞かないガタガタと激しく揺れる身体を恨めしく思いながら、一気に頭の中がショートする。

腰を抜かした弾みでチューブに繋がれている同胞の身体がどさりと滑り落ちた。チューブがそのまま抜け、そこから何かの薬液か体液か分からないものが床に広がる。
それはAと目が合った。
弱り切った見知らぬ同胞がAの姿を見て何か喋っているが掠れ声で聞き取れない。体液が抜き取られていた同胞の身体の色は土気色で、死体とを思わせた。

皆はどうなった
私はこれからどうなるの
ここから逃げないといけない
殺されるのか
殺されたくない
この男は
いや私はどうしたら
怖い
あの人はもう
かえりたい
おかあさん
かえるばしょなんて
いきができない
なきたい
ないてどうするの
たすけて
だれか
もう
もういやだ
いや
だれか
いや

いやいやいやいやいやいやいやいや
ああああああああああああああああああああ

「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

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設定タグ:ブロリー , 夢小説 , ドラゴンボール   
作品ジャンル:アニメ
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…!現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います!本当にありがとうございます! (2019年6月24日 13時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています! (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます!ぜひこの作品を完結させて下さい! (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜!!何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます!! (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか?パラガス書いてくれますか?ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ストロー | 作成日時:2019年3月12日 22時

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