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発見 ページ37

時間を気にしてはいなかったが、今は夜のようで、廊下に月明かりが射している。その比較的明るい廊下を先ほどの轟音を聞きつけた兵士達が慌ただしく駆けていく。
すれ違う兵士達がブロリーの姿を捉えると何かを聞きたそうな顔を一瞬したが、彼に話しかけることはあまり良い結果を生むことはないと理解しているので、一様に目線をくれただけで男の横を素通りしていった。

女の微かな気の動きは上から下へ向かっている。戦闘力は皆無だが注意深く意識をしてみればある程度は追うことはできた。
そういえば、とブロリーは幾分か聡明となった頭で考える。
その時は意識が若干ぼんやりしていたが、確か女はこの星を出て行きたがっていた。自分に危害を加えられ更にその意識は加速したことだろう。では今何を求めているか。
脱出手段ではあるまいか?と。
自分の考えに確信を持ったブロリーは地下へ向かうことにした。

*****

「探し物は見つかったのか」
とある目的を持った施設がある地下室の入り口の扉の前で白い物体が蠢いている。一見して奇妙な生き物のようだったが、よく目を凝らして見るとそこにいたのは白いシーツを被った目的の人物だった。シーツから女の肌がちらちらと覗いている。
まさかここを探り当てるとは、皮肉なものだとブロリーは内心苦笑した。おそらくこの施設の存在理由をこの女は知らない。
「探しものは見つかったのかと聞いている」
更に声をかけたが返事はない。

久方ぶりに見た女は不健康なほどに痩せこけており、彼を見て腰を抜かしたのか小刻みに体を震わせている。何かを言いたそうな顔をしているが言葉にならないのか、空気を求めて水面に群がる魚のように口をパクパクとさせている。怯えきったその目は、ブロリーが幾度となく見てきたものと同じだった。

少しだけ心の奥どこかがチリ、と痛みを伴い爆ぜた。理由など知らないし考えたくはない。
歩みを進め女に近寄る。距離が縮まるのに比例し、女は壁に身体を押し付けた。まるでこれから屠殺される家畜のようだった。ついに崩れ落ち床に座り込んでいしまう。
「ふん、ここか…」

この場所の存在理由をこの女に伝えれば、どのような顔をするだろう。
どのような声を出すだろう、どんな感想を言うのか?

子供のような興味心がブロリーを支配する。それはとても単純で純粋なものだった。

部屋の中→←破壊



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設定タグ:ブロリー , 夢小説 , ドラゴンボール   
作品ジャンル:アニメ
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…!現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います!本当にありがとうございます! (2019年6月24日 13時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています! (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます!ぜひこの作品を完結させて下さい! (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜!!何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます!! (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか?パラガス書いてくれますか?ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ストロー | 作成日時:2019年3月12日 22時

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