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覚醒 ページ3

「…はっ!?」
弾かれるように飛び起きた。付いた手が硬い床に触れる。台座のような場所に寝かされているようだが、お世辞にもベッドと呼べる代物ではなかった。
「おや、お目覚めですかな」
まるでタコのような身体をした生き物が声をかけてきた。寝かされている台はのせいだろうか、全身が痛い。
何かの研究施設だろうか、部屋は機械で埋め尽くされており様々なパイプやコードのようなものが巡らされていた。タコと同じで不気味な雰囲気だ。
「ここはどこ……」
「ここは新惑星ベジータですじゃ。あなた様はパラガス様とブロリー様に助けられてここにいますのじゃ」
「助けられて…?」
それ以上タコは語らなかった。手元で誰かと通信をしている。

「うっ…」
自分の感覚では外傷は無いと思うが身体中が悲鳴を上げている。硬い台の上で暫く身悶えていると、入り口のドアが開いた。

「おお、起きたのかね。調子はいかがかな?」
男は大仰な態度でこちらに近づいてきた。
「外傷はないですが、まだ本調子ではないようですじゃ」
タコが代わりに応えた。
「そうかそうか」
この男、なんだか胡散臭い。第一印象がそれだった。立派な体格をしているが、どこか信用できない、嫌な雰囲気があった。豊かに蓄えた髭を撫でながら更に質問をしていく。
「お名前はなんというのですかな?」
「…A…です」
「ほうほうAさんですか。これは失礼、私から先に名乗るべきでしたな。私はパラガス。この新惑星ベジータの今の時点でのトップを務めております」
「し、新惑星ベジータ?聞いたことないです、けど」
話すごとに胸のあたりの骨のどこかが痛み、正直喋りたくなかった。が、パラガスと呼ばれる男は御構い無しに会話を続けようとする。
「聞いたことがないのも無理ありませんな。新惑星ベジータは最近復興したサイヤ人の星です。我々サイヤ人の星は何十年も前に隕石の衝突で消え、サイヤ人も全滅致しました」
「そう、なんですか。それは大変でしたでしょう」
「ええ、ですがサイヤ人は少人数ですが生き残っておりました!幸運にも王族まで生き残っていることが最近発覚いたしまして。お迎えにあがる準備をしております最中でしてな」
心なしかパラガスの頬は赤く上気し高揚しているように見える。これから起こることを楽しみにしているような。
「そうです、か」
彼女はそう答えるのがやっとだった。

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設定タグ:ブロリー , 夢小説 , ドラゴンボール   
作品ジャンル:アニメ
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…!現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います!本当にありがとうございます! (2019年6月24日 13時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています! (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます!ぜひこの作品を完結させて下さい! (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜!!何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます!! (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか?パラガス書いてくれますか?ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ストロー | 作成日時:2019年3月12日 22時

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