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殺意の裏に ページ15

意識を失いそうになりながらAは思う。
彼のロボットのような言動や立ち振る舞いから、今までの従順な態度が演技であるだろうとは何となく察しはついていた。ただ、ここまでのことをされるとは思ってもいなかったので、この男とコミュニケーションを取ろうとした自分が如何に愚かだったかということを思い知らされる。
今はただ、耳障りな高笑いを続けている目の前の男が恐ろしい。
「ど、うしてこんな、こんな…」
「俺が恐ろしいのか?怖いのか?」
ブロリーは嬉々としてAに問いかけた。

自分が一体何をしたというのか。
気がついたら自分の故郷は無くなっていて、挙げ句の果てに見知らぬ土地で気が狂ったような恐ろしい男に殺されそうになる。
こんなのはあんまりだ。
あまりの理不尽さについにAは涙を溢しはじめる。未だ走馬灯はやってこない。気がつけば高く持ち上げられていた。必然的にブロリーと目線が同じ位置にきてしまい、嫌でも目が合ってしまう。
もう目が逸らされることはなかった。恐ろしいことには変わりはない。
殺意が篭ったその視線を真正面から受け止めてしまった。

青い瞳に込められた凄まじい殺意の裏に別の感情をが見えた気がしてびくりとする。
ーそれは悲しく、何かに縋り付くような、何かを訴えているような。

Aはほんの一瞬だけ恐怖を忘れ、思わず息を飲んだ。

「ぬっ!?ぐあっ!」
突如ブロリーの愉悦に塗れた歪んだ顔が苦痛の色を見せた。
額に青筋を立てて何かに必死に耐えている。目の焦点が合わずに瞳が激しく揺れて始めた。そして先ほどから何度か光っていた装飾品が今までとは比べ物にならないぐらい激しく眩い光を放ち始める。肩を掴まれて持ち上げられていたAはその光をもろに目に受けてしまう。
「うぐっ、俺は…!」
「きゃあ!」
「お…親父めぇ…!!クソッ…」
ブロリーは激しく痙攣を始める。口の端からは泡が吹き出している。Aの肩を解放して床にべちゃりと落とされた。したたかに尻を打ちギャッと色気のない悲鳴をあげる。

「ぐおお!!」
両手で頭を抱え激しく唸っている。解放されたことを良いことにその場から少しでも離れようとしたが腰が抜けていたので叶わなかった。
「奪わせんぞ…俺の……!!」
何かに苦しみ咆哮しながらも、腰を抜かして動けないAの右腕を力一杯掴んだ。掴まれた腕が折れたりちぎれなかったのは彼女の身体が頑丈だったせいだろう。

額の装飾品は眩しいほどに光り続けている。

収束→←変貌



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設定タグ:ブロリー , 夢小説 , ドラゴンボール   
作品ジャンル:アニメ
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…!現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います!本当にありがとうございます! (2019年6月24日 13時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています! (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます!ぜひこの作品を完結させて下さい! (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜!!何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます!! (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか?パラガス書いてくれますか?ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ストロー | 作成日時:2019年3月12日 22時

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