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予兆 ページ13

勝手に星を去ろうとしていると悟られて報告されると厄介だ。
多少強引だが話を変えることにした。
「ブロリーさんはあちらの森に行ったことはあるのですか?」
「…あります」
「そうなんですね、動物などはいるんですか?」
「見たことはありません」
「そうなんですか。私の故郷の星では、森にはたくさんの動物がいましたから、何かいたら見て見たいと思ったんですけど」
「…」
キラリ。

昼前に彼が自発的に会話をしたことにより、再度のコミュニケーションを少しだけ期待をしたが、やはり無駄だった。無難な会話を投げかけてみるが、質問には答えても雑談はできないようだ。疑問符で投げかけた言葉にだけ反応をしてくる。
背が高く、(本当に異常に高い)陰鬱そうな雰囲気はあるものの、整った顔立ちをしているのだから会話次第では女性にもモテそうなのにな、と思う。
「そういえば失礼ですがブロリーさんは年齢はおいくつなんですか?」
「…30歳です」
せいぜい20代前半かと思っていたが、意外と若くなかった。だが父親のパラガスも若く見えるのにこんなに大きな息子がいるのだから、と妙に納得した。サイヤ人とは何とも羨ましい種族である。

もう少し外を散策したいと思ったが、早々に切り上げることにした。併せて天候が変わったのか、風が出てきたので肌寒さを感じていた。いまの彼女の服装は簡素なものであるため、体温が少しずつ奪われていく。
「この星は少し寒いですね。私の故郷の星はもうちょっと暖かかったです。できれば送ってくださる星は暖かいところが良いのですけども」
我儘は言えないですよね、とAは舌を出し頭を掻いてみせた。
「…」
キラリ。
フレンドリーさを出しても反応を返してくることはない。本当に諦めたほうがいいかもしれない。
Aは苦笑いのままブロリーに背を向けとぼとぼと宮殿に向かって歩き出した。

突然びゅう、と冷たくて強い風が吹く。
「ブロリーさん、風が強くて寒いですし建物に戻りましょう。ブロリーさんはさすがですね、そんな格好でも寒くないんですか?」

ブロリーの方を振り向き、こちらに向けている表情を見て驚いた。
眉間に深いしわを寄せて、口の端を歪ませていたのだ。憎々しげに彼女を凝視しては、上がった口角が何かを言いたそうに震えている。よく見ると、震えているのは口だけでなく全身が小刻みに揺れていた。何かを我慢しているかのような様子だ。

変貌→←空を見上げて



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設定タグ:ブロリー , 夢小説 , ドラゴンボール   
作品ジャンル:アニメ
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…!現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います!本当にありがとうございます! (2019年6月24日 13時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています! (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます!ぜひこの作品を完結させて下さい! (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜!!何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます!! (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか?パラガス書いてくれますか?ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ストロー | 作成日時:2019年3月12日 22時

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