邂逅 ページ1
その男はどこか上の空で、そこに立っているだけだった。
小高い丘にある一本の木、その下にその男は居た。
綺麗だ、と素直に思った。
背がとても高く、端正な顔つきだがどこか眠そうな男の口は半開で、どこかかぼんやりとしとした表情で宙を見つめている。
−−どこかの星の服装だろうか？上半身は裸で白いズボン、赤い腰巻、特徴的な装飾。特に目立つのが額にあるティアラ。男の容姿も手伝ってどこかエキゾチックな雰囲気を醸し出していた。
さわさわと涼しげで心地よい風が女の頬を撫でた。
それが男の神秘性を更に引き立たせている。
「もしもし？」
一瞬見とれてしまった女は我に返り男に声をかけた。
しかし男は無言。まるで女の声が届いていないようだ。何も言わない。
「あなたはこの星の人？」
そう声をかけるも変わらず男は上の空。突然ぐぅっと大きな音が男の腹の方から聞こえた。
もしやお腹が空いているのか。
「あの、これ食べる？」
男の黒い瞳が初めてこちらを捉えた。
その瞳を覗き込んで少しぞっとした。どこまでも深い闇のようだった。
荷物から取り出した朝に夫に出すために焼いていたパン。
女はお昼弁当を夫の職場に運ぶ最中だったのだ。
「旦那のだから、あんまりあげれないけど、これぐらいなら」
突然、男の額にあるティアラのような装飾品が緑色に眩しく光った。
ーーぷつん。
鮮明な記憶はそこで途切れている。
それ以後の記憶はあまりない。
ありふれた日常。
明日も同じ日が続くと思っていた。
結婚したばかりの夫に食事を作り届ける。それが明日も明後日も続くのが普通だと。
きっと大きなトラブルもあるかもしれない。でもそれは乗り越えて、もしかしたら子供も作るかもしれない。そんな日常がずっと続くものであると。
彼女の意識が落ちるのと同時に、その日常は露と消えてしまった。
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ストロー(プロフ) - はなさん» そんな風におっしゃっていただけるとすごい嬉しいです…！現在停滞しておりますが頑張って完結させたいと思います！本当にありがとうございます！ (2019年6月24日 13時) (
レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 文章がとても綺麗で感情が伝わって来て大好きです。陰ながら応援しています！ (2019年6月17日 0時) (レス) id: acff344607 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ありがとうございます！ぜひこの作品を完結させて下さい！ (2019年4月27日 18時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - みさきさん» これが完結したらそうですね〜〜〜！！何も考えていませんでしたが何かでブロリー小説をかけたらいいなって思ってます！！ (2019年4月27日 15時) (レス) id: 3967770775 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - ストローさんはこれが完結したら次は何をかくのですか？パラガス書いてくれますか？ブロ×パラでパラ受けのもn……ゲフンゲフン。 またドラゴンボールを書いてくれると嬉しいです。 (2019年4月23日 21時) (レス) id: 20e162e3ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ストロー | 作成日時：2019年3月12日 22時
