今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:4,192 hit
小｜中｜大
XXV ページ8
「――……惚れた弱味って言うんでしたっけ」
「……えーと、急に何の話？ しかも知らないんだけどー？」
びっくりしたようにこちらを見るゾイマーさん。
ついつい口が滑ってしまった。
「いや、何でもないです」
すみません、と謝った。
「？ いーえー」
ゴミ箱の整理もしてくれているゾイマーさん。
実は綺麗好きなのかな。
そんなところも好きだ。なんて陳腐な事を思いながら、ソファでゾイマーさんを見つめる。
この恋は、一生封じ込めるつもりだった。
そんな資格はないんだと、心を縛って。
昨夜バネッサさんに叱られて、ふと緩んだ。
恋……とか、オレがしても、いいのかな。
一生懸命ゴミ箱の整理をしているゾイマーさん。
自分が座っているのが申し訳なくなり、手伝います。と立ち上がった。
「あーいい、いい。いいから座ってろ」
本当に心配そうにそう言ってくるもんだから、何だか可笑しくなってくる。
「何故笑う」
「優しいな〜って」
「……変なやつ」
今なら酒のせいに出来るだろうか。
こんなときにもヘタレで強情なオレは素直になんてなれないんだ。
「ゾイマーさん」
「何だようるせーな。手伝わなくていいから座ってろー」
言い方こそきついけれど、オレのためだと言うことはわかる。
オレはソファから魔法を使い、ゾイマーさんの耳元に空間を繋いだ。
「好きです」
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルーラ | 作成日時：2017年11月18日 22時
