わんもあわーるど (ページ14)

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Ripple star 1 ページ14

「女王様！まさかまた、取り憑かれて…！？」

『そうだよ。僕はA。ゼロツーさんとおんなじ、ダークマター族。』
女王の姿のままAは自己紹介をすると、クリスタルに歩み寄ろうとした。

だがその前にカービィが立ちはだかった。
「クリスタルを奪わせる訳にはいかないよ！」

『へえ？なんで？君にとって大事なものだっけ？』

「ぼくじゃなくて、リボンちゃん達、リップルスターの人達が大切にしているものなんだ！」

『…ふーん』
Aは、つまらなそうに目線をそらすと、こう言いだした。
『じゃあ残念ながら、その大切にしているものを僕がとっていく事になるんだね』

「！！だからさせないって言ってるでしょ！」

『…無理だよ。君には止められない。色んなものを背負いすぎてるんだ。リボンが大切にしている女王自身を攻撃する事はできないし、フロラルドの時みたいに戦力になる仲間もいないし、なにより大切なリボンを守りながら止める、なんてできるわけない』

「それでも全部守る！リボンちゃんも女王様もクリスタルも、大切なものは全部！」

『欲張りすぎると後悔する事になるよ』
Aは呆れたように言うと、女王の手をかざし、パワーを溜め始めた。
『この力を全部ひとつのものに当てたらどうなるかな？かなりの力を溜めて撃てば、クリスタルだってひとたまりもないだろうね』

カービィは困惑した顔で聞いた。
「どれに撃つつもりなの？」

『教えないよ。どれかひとつ選んで守ればいい事だけど、君にはそのひとつは選べない』

もしリボンちゃんが倒れてしまったら。もしクリスタルがもう二度と元に戻らない位バラバラになってしまったら。もし女王が消えてリップルスターが混乱に陥ったら。

「う、ううん…」
カービィは困った。Aの言う通り、カービィにはどれかひとつなんて選べない。

悩んだ末、カービィは動きだした。
「やっぱりどれもさせない！」

『本当に欲張りだな、女王を傷つける事もできないっていうのに』

「それでもぼくは大切なもののために大切なものを捨てたりなんかしない！それが自分の大切なものじゃなくても！」
カービィは、女王をできる限り傷つけないようにタックルして部屋の外に出そうとした。

『…へえ。これが君の選択か』
Aは部屋に踏み止まって、パワーを溜めている手と反対の空いている手でカービィを捕まえた。
『せっかくこうかいしないか聞いたのに』

ぽいっと投げられたカービィに女王の放った光線が命中した。