わんもあわーるど (ページ11)

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にげるページ11

空を超え、宇宙に出て、まだ、飛ぶ。
Aの体力はもうないに等しい。
『どこか、居やすい、場所は』

ポップスターは存在する事に大して体力を使わない。
おそらく、その平和な星の者達が何かを拒む事を知らないからだろう。

ダークマター族は、「感情のエネルギー」を使って動いている。
喜び、怒り、悲しみ、憎しみ、恨みなど…
それは自身の感情であったり、他人の感情であったりするが、皆、「拒まれる」事に弱い。
拒む事は感情を生み出さないからだ。

今Aは一刻も早く、拒む者の少ない場所を見つけ、そこへ逃げ込まないと行けない。
宇宙にはそもそも感情を持つ者が少ない。
長い時間飛ぶには体力がいる。
だが、体力がほぼない状態で宇宙に出てきてしまったAは焦っていた。

「Aー！どこへ行こうとしてるんだー！」
ずっとカービィが追いかけ続けて来ている。
どこへ行こうとしてる、なんてこっちが聞きたい。
理想を言えば…
最初の目的どおりに、カービィの大事な者達が迷惑を被る所へ行きたい。

『こうなりゃ一か八かか…』

「？なんて言ったんだよー？」

『カービィ、お前の友達に会いに行くんだよ」

「この先は…リップルスター！？またみんなの平和を乱してくつもりか！」
ビンゴ。
なるほど、リップルスターか。悪くない。
ゼロツーさんが一回支配しかけてカービィのせいで失敗した、という所だ。
拒む事を知らない平和な星、さらに思い出めぐりにちょうどいいじゃないかとAは思った。
そしてカービィに向けてニヤリと笑みを見せてからリップルスターを目指し飛んだ。

「！！A…何がしたいのかな？」
カービィはAの目的がさっぱりわからなかった。
「ぼくを狙ってるならぼくだけ攻撃すればいいんだもんな。やっぱりよくわかんない…」

カービィは考えてみた。同じような手口の者がいなかったか。
他のダークマター族みたいに支配が目的ではなさそうだし、カービィ自身と戦いたいのだろう。
カービィ一人と戦いたいみたいな発言もしていた。
ならなぜただ戦うのでは済まないのか…戦う為に必要な事でもあるのかもしれない。

そういえばディメンションミラーを欲しがって、一部を奪い去ったままなのだ。
それが何かに必要なのか…
そしてまだ向かう先があるなら、次に狙われるのは…
「クリスタルを狙ってるのかも」

『じゃあまたね』
リップルスターが見えてきたあたりで突然Aは声をかけて、凄い速さで飛んで行ってしまった。