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今から15年ほど前の話。



両親が共働きで、ひとりで留守番をすることが多かった私は
家の近くにあった“犬山公園”によく遊びに行っていた。



「めい!きょうもいたんだね!」



その理由として、首輪のない子犬の“めい”がいるからというものがあった。


小さなダックスフンドのめいは人懐っこくて、
犬が大好きだった私にとっては自分の犬のような存在だった。

そして、友だちもいなかったものだから
唯一の友だちでもあった。



ある日、いつものようにめいと遊んでいたとき、突然めいが吠え始めた。
そしてそのまま、車の走る道路へと走って行く。



「めい、めい!まって!どこいくの!」



めいを追いかけて私も走り出す。

車なんて見えていなかった。
道路に出ようとしていたことも気付かなかった。




「めい、まって、……わっ!!」



石につまずいて、転んでしまった。
擦りむいた膝からは血が出ている。

痛みから動くことも出来ず、私はただただ泣くことしか出来なかった。


そんなとき、手を差し伸べてくれたひとりの少年がいた。



「だいじょうぶ?ひざ、ちがでてる」



背丈は私より少し高いくらいの、心優しい少年。

丸い形のかわいらしいキャラクターがプリントされたTシャツを着ている。



「すっごく、いたい……っ」



泣きながら、少年に必死に痛いということを伝えた。

少年は泣き続ける私が道端に座り込んでいたことに気付いて、
とりあえず立たせようと手を取ってくれた。



「たてる?」

「……いたい、でも、だいじょうぶ!」

「そっか。でも、いたそうだからぼくのおうちでみてもらおう」

「わかった!」



そうして、手を繋ぎながら その少年の家に行った。


そこは犬山公園からも見えるくらい近くにあって、
ドアを開ければ優しそうな男性が出てきた。



「____どうしたの、その子は誰?」

「ころんで、ちがでてたの。だからつれてきた」



少年がそう言うと、男性は私の前にしゃがんでニコッと笑った。



「そっか。君、お名前は?」

「A……」



そう告げると、優しく頭を撫でられる。

その手にはまるで魔法の力があったかのように、私の涙は止まったのです。


そして、軽く消毒などの手当をしてもらって、少年に家まで送ってもらった。



これが、初恋の少年との出会い。



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設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治   
作品ジャンル:ラブコメ
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雪見ユキバ(プロフ) - くぅ、か、カッコよすぎだろ… (2019年5月2日 22時) (レス) id: a10d471b60 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - マジすこです() (2018年12月23日 9時) (レス) id: 5890d86e26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めかこ | 作成日時:2018年10月21日 20時

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