propose*017 ページ18
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初めての感覚だった。
幸せすぎて、堪らなくて。
唇が離れると、とたんに寂しくなって
離れないように、離れたくないと伝えるかのように、
赤葦さんの首に手を回した。
どうしよう、ずっとこのままでいたい。
……そう思っていたら。
「もう終わり……ですか?」
「あっ、いや、不快だったとかではなく……」
私の肩をぐっと掴んで下を向いている。
何やら深呼吸もしている。
「これくらいにしておかないと、その、ダメな気がして……」
「そ、そうですね!今止めてもらわなかったら私、ずっとあのままでしたし!」
何となく、赤葦さんの気持ちがわかった。
ずっとあのままでいたかったし、離れたくなかったから
止めてもらって正解だったと思う。
「ちょっと違いますけど……まぁ、そういうことにしておいて下さい」
送るんで準備してきますね、そう言って赤葦さんはいなくなってしまった。
ちょっと違う、ってどういうことだろう?
それはよく分からなかったけれど、
寂しい気持ちを抑えて準備を始めた。
.*・゚
「本当にすみませんでした……」
「な、なんで謝るんですか!?」
家を出てからというもの、赤葦さんはひたすら謝り続けている。
何でこんなに謝られるのか分からない。
そういえば、初めてハグをした時もそうだったっけ。
それにしても、不思議でたまらない。
「Aさんは、嫌じゃないんですか?」
さらに不思議でたまらなくなった。
あんなに幸せになっていたというのに。
その上、付き合っているというのに。
もしかして、気付いていない……!?
「嫌なわけないです!むしろ、幸せですっ……!」
赤葦さんの表情が、一気に晴れた。
私の言葉ひとつで、こんなにも変わるもの?
「……ほ、本当ですか!?早いとか思わないですか!?」
早いと思わない、と言えば嘘になるけれど
幸せをもらっているのは事実であって。
何でこんなに好きなのかもよく分からないし、
愛花に話せば説教が始まるだろうけれど、
赤葦さんなら大丈夫だって思ったのは間違いない。
「確かに、早いとは思っちゃいました。でも……」
ちゃんと言わなきゃ、伝えなきゃ。
もう、大切な人には離れていってほしくないから。
失いたくなんて、ない……。
「夢みたいだなって思うくらい、幸せですよ!」
今の私は、
“赤葦さん”と、幸せになりたいんだ、って。
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雪見ユキバ(プロフ) - くぅ、か、カッコよすぎだろ… (2019年5月2日 22時) (レス) id: a10d471b60 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - マジすこです() (2018年12月23日 9時) (レス) id: 5890d86e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めかこ | 作成日時:2018年10月21日 20時