微風は優しいキスを運ぶ

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どこまでも続いているような青空の下の朝。
どんな子なんだろう、良い後輩だったらいいな、なんて考えながら登校。



祐樹｢おっAちゃん、おはよ｣

｢大津先輩！おはようございます｣



朝からキラキラしてる大津先輩。相変わらずチャラ……いや、輝いてるなあ。



祐樹「だーかーら、もう引退したんだから大津先輩って呼ばないでって言ったでしょー｣

｢すいません、部活の癖が抜けなくて……｣

祐樹 「もう部員とマネージャーの関係じゃないんだから、ね？｣



ぐいっと肩を引き寄せられ耳元で囁かれたけど、そんなのはもう、とっくに慣れました。

はっきり言って大津先輩はチャラい。

だけど現役時代はチームのエースで、ゴールを量産して、最後の試合で負けたときは誰よりも泣いていた。

自分の仕事をちゃんとこなして、誰よりも熱くて優しい。
ある意味ズルい人だと思う。



｢あの、大津先輩｣

祐樹「祐樹でいいよ｣

｢近いです、みんな見てます｣



周りを見渡すと、こわい顔でこっちをガン見する女の子たち。大津先輩も岳と同じように女子から人気がある。

……私を良く思ってない人が多数だと思う。別にいいけど。



祐樹「今度遊び行こうよ｣

｢ナンパみたいですね｣

祐樹「いつ部活休み？｣

｢……今日の放課後は休みですけど｣

祐樹「はい決まり、授業終わったらAちゃんの教室行くから待っててね｣



勝手に予定を立てると、手を振って走り去っていった。

今日の教室は荒れることが決定。

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