悲しい思い出【血塗られし彼岸花過去篇】【銀魂】 (ページ6)

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ネクロフィリア:Ⅰ【橋崎咲哉　あも】ページ6

ネクロフィリアとよく言われる。
だが、それは当たってもいるし、間違ってもいる。

死体に性.的な感情を抱くことはない。

まあ、これは狭義においてのものだ。

俺の場合は広義における、ネクロフィリアだろう。

広義では、死という概念そのものを欲し愛するという広いニュアンスの意味を持つ。

死んだ生き物はもちろん、

死ぬ瞬間を見ること。死について語ること。

生を持たない無機的なものを好むこと。

生物を生の無い物として捉えたいという感情 ...。

死体も好きだが、人形も好んでいる。

まぁ、あれだ。要は生きていないものが好きなのだ。

死というものに憧れるのだろう。
誰にでも訪れるものだが、
生きている人間は死の瞬間について誰も知らない。

死んだ人間は言葉を発することはないからだ。

死ぬ瞬間、死んだその後を、誰も知らない。

ただ、これだけは言えるだろう。

死が訪れたあとは恐らく、何もない。永遠の静寂。

死体からは欲望も感情も何もかもが消えてしまう。

生きている間に決して無くなるなどということがないものが、死ねば一瞬で消える。

死人は暑いと文句を言わないし、美味いものを食べたいと望むこともない。

何もかもが無くなる。

....素晴らしいではないか。

・・・・ああ、すまない。話に熱が入ってしまった。

俺がネクロフィリアになったのは、さて、いつだっただろう？

ああ、参った。覚えていない。これでは話すことができんな。
生まれたときからだったのかもな。

ネクロフィリアになったことについては少しも覚えていないが、その代わりにいくつか昔話をしよう。

死というものに恋い焦がれる俺と、不死の身体を持ったある男と、

それから、その男の弟子である、夜叉(おに)との他愛もない昔話を聴いてやってくれ。