末 ページ14
あれから、無事琴代は薔薇隊の一員として認められた。寧ろ、竹箒で一家惨殺という初陣らしからぬ事態を引き起こしモラル云々、凶暴性云々で多少のいざこざはあったが琴代は彼岸花にいる。指導役の任は初陣の後に外れたが何かと絡む機会が多く今では友人関係を築けている、と思っている。
「はいむっちゃん!!今日の琴代何点!?」
「35点」
「赤点回避ぃ。隊長ぉ、むっちゃんが酷いでーす」
「そうか、良かったな」
「何か薔薇隊に限らず皆さま琴代に厳しくないですか?気の所為?」
「お前分かってやってるだろ」
薔薇隊初の女性隊員となり、またその容姿と内面からかなりネジの外れた琴代は何だかんだで生き延びている。美しく魅せるという事を計算し切った肉体は以前と何ら変わりなく、そして傷一つない。来年には20歳となるというのに相変わらずのセーラー服。この際死ぬまでこれで良いのではと言ったことがあるが、それとこれとは違うらしい。セーラー服を許されるのは25歳までだと。その後はまだ考えていないが、需要があるのはチャイナ服かメイド服だよね、と笑っていた。一体、何処の誰の為の需要なのか計り知れないがきっと25歳になってもこいつはこのまま変わらないのだと思う。
「お前さ、もっと友達作れよ。毎度絡まれる俺の身になっくれ」
「え?待ってむっちゃん琴代の友達なの!?うそぉ!!信じらんなぁい!!」
「………………おい」
「ふふ、心配しなくてもお友達はいっぱいいるよ」
「括弧仮の」
「それ」
艶やかな黒髪が揺れる。掴み所がなく、自由奔放で我儘なこの薔薇隊のお嬢にはいつも振り回されているが、悪くないと思う自分もいる。妹とは桁違いに可愛くないが、まあまあ楽しませて貰っているのだ。それに此奴はセンスだけはやたら良いので弥生への贈り物に役立つ。下手に踏み込んだり内に入れないこの距離感が気に入っていた。
「むっちゃん、琴代は死ぬまでに1回はむっちゃんに可愛いって言われたいなぁ」
「お前の死に様にブッサイクだなぁって笑ってやるよ」
「むっちゃんキラァイ」
鐘が鳴った。呼び出しの合図だ。
「久しぶりだ、2人で組むのは」
「嬉しい?履き箒殺戮アゲインしよっか、あの時みたいに」
「止めろ後始末がめんどくせぇ」
「あいあいさー」
今日も俺達は薔薇を毟る。明日も、この先も。
_____
参加が遅れて大変申し訳ございませんでした。
薔薇隊のお子様達勝手にお借りしました。素敵なお子様ありがとうございました。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←肆
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
英(プロフ) - 終わりました (2019年2月24日 13時) (レス) id: 9b991eef88 (このIDを非表示/違反報告)
英(プロフ) - 更新します (2019年2月24日 13時) (レス) id: 9b991eef88 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 終わりました。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 更新してきます。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 一度、終わります。 (2018年9月26日 18時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他6人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年9月9日 18時