言の葉【ちょこくりーむ】 ページ30
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「____________俺は、死にます。」
今の睦月にはなんて言葉をかけて良いのか分からなかった。
"死ぬわけないだろう"
そう、一言声を掛けてやれば良いのに、真剣に死を覚悟している彼を見るとそんな簡単に言葉を紡ぐことは出来なかった。
暫しの沈黙。
相手の胸の奥を探るように目を合わせたまま、瞬きもしない二人。
暫くして、沈黙を破るように、睦月は言った。
「局長は、俺が俺じゃなくなったら、どうしますか?」
私を、試しているような、値踏みしているような冷たさを含む表情。
しかし、瞳の奥には、私達彼岸花への信頼が見え隠れする。
きっと、これが彼の本心なんだろう。
「答えは簡単。…助けるだけだ。皆で。何か異論はあるか?」
環のえたいの知れない強い威圧に、睦月は一歩後ずさった。
そして、また真っ直ぐに環を見て、後ろを向いた。
「…では、失礼します。」
振り向かずにそのまま局長室から出ていく睦月の後ろ姿を、環は心配そうに見つめ続けていた。
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夢沢夏美(プロフ) - 更新しました (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 更新します (2019年1月29日 16時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 終わりました (2018年9月30日 0時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
月輪(プロフ) - 更新してきます (2018年9月29日 23時) (レス) id: 70f70208e4 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - 終わりました (2018年9月28日 11時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:血塗られし彼岸花参加者 x他6人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年9月17日 21時