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｢それはヘッドハンティングってやつ？｣
｢そんなんじゃないわよ｣
お惣菜を届けてくれたヨッシーと晩御飯を食べながら、神栖の病院に誘われた話をした。
この人は絶対に私の家には入らない。
いつも作ってくれたお惣菜を玄関先で受け取る。
上がってお茶でもと誘っても、
｢俺と高野の間に間違いが起きるはずは無いけれど、それでも男と女だからね｣
と、狭い玄関でのやり取り。
篤人の家ではしょっちゅう2人きりになるのに、それとは意味が違うらしい。
真面目というか、なんというか。
今夜も受け取った密封容器を冷蔵庫に入れると、ヨッシーと一緒に外に出て、最近オープンしたイタリアンで食事。
｢ここ、前を通る度に気になっててさ｣
｢そうなの？ 彼女と来ればいいのに｣
｢まだそんなに酒が飲めない｣
｢過保護(笑)｣
｢いやいや。高野は俺くらいしか外でメシ喰う相手がいないだろう？ ボランティアだよ｣
そうね。
お気遣いありがとう。
｢まあ、篤人とは無理だし｣
ヨッシーは苦笑い。
｢神栖の病院の事だって、相談出来る友達もいないのは事実｣
｢…いや、高野。少なくとも俺は友達だと思ってるよ｣
思わず顔を上げる。
｢それなのに友達いないなんて、俺に失礼｣
｢あ。…そうね、ごめん｣
｢高野は自分で壁を作ってるとこあるじゃん？｣
｢うーん、まあ…｣
｢高校の時からそんなとこあった。なんか孤高のクールビューティ｣
クールビューティ・・・。
最近よく聞くわ。
｢転職、俺は悪くないと思う。茨城ってのも何かの縁を感じるし｣
｢とりあえず、1度見に行こうとは思ってる｣
｢篤人さんは？ なんて言ってるの？｣
｢あー、まだ言ってない｣
｢え、なんで？ 真っ先に話さなきゃ｣
｢うーん、…転職となると、すぐに辞める訳にはいかないから、結婚しても仕事を続ける事になるの｣
｢うん？｣
｢あの人、仕事の事は好きにしていいって言うけど、ほんとはどうなのかなって｣
｢…尚更話さなきゃダメじゃんか｣
｢そうよね…｣
私たちには言葉が足りないと判っているのに。
｢ったく、篤人さんも高野も…｣
｢私たち、ずっと、いつも、こんななの｣
｢困ったねえ｣
｢ふふ、困ったわ｣
｢篤人さんが仕事の事は好きにしていいって言うんなら、それはほんとにそう思ってるんじゃないかな｣
｢男の人ってどうなの？ 奥さんには家にいてほしいのかしら｣
｢あの人はそういう一般論は関係ないよ｣
｢そうね、自分を持ってる人｣
｢そうそう。ちゃんと話しなさいよ｣
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馨子(プロフ) - かずさん» かずさん、初めまして。コメントありがとうございます。続き、書きます。もうしばらくお待ち下さいませ。 (2020年10月8日 21時) (
レス) id: 3d2bd1be2e (このIDを非表示/違反報告)
かず(プロフ) - たまたま見つけて初めから一気読みしてしまいました！続きをたのしみにしています。 (2020年8月30日 19時) (レス) id: 5b90d9c873 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - SARAさん» SARAさん、コメントありがとうございます。更新はします！ 中々時間が取れないので超超スロー更新とはなりますが、気長にお待ち下さると嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2020年5月27日 15時) (レス) id: 3d2bd1be2e (このIDを非表示/違反報告)
SARA - たまたま見つけて読み始めたのですが、このお話大好きです！！もう更新はされないのでしょうか？続きを楽しみにしています！ (2020年5月27日 10時) (レス) id: 33418b16ef (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - みのりんさん» みのりんさん、コメントありがとうございます。久々の更新でしたのでドキドキしました。また、お会いしましょう。 (2020年4月25日 16時) (レス) id: 3d2bd1be2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2018年8月25日 11時
