Branch road 【from Correlation chart】

Ryo's road　17：晩飯 ページ17

＜亮 side＞


もう、めっちゃ忙しい…

なんやねん、毎日残業で、休日出勤もとか

横山くんと眞砂子さんと、昼も夜も一緒に飯食って…

もう、曜日感覚もなくなってきたって…


圭子さんを誘えんまま、こんな生活始まってもうて、いつの間にか映画も公開されとるし…

やっと、今朝納品して、久しぶりに定時で帰る

家帰って、映画の時間調べて、圭子さんに連絡せんと…

そう思って会社出たら、少し前にとぼとぼ歩く圭子さんの姿が…


『圭子さ〜ん』


あっ、あかん…なんも考えんと、声かけてもうた…

めっちゃビックリした顔でこっち見とるし…

慌てて駆け寄って


『今から時間あります？』


もう、こうなったら、誘うしかないやろ


「うん…あるけど…」

『じゃあ、飯行きましょ』

「いいけど…随分、突然だね」

『やっと仕事片付いたんですよ…連絡しなくてスミマセン…』

「あっ…全然気にしてないよ…」

『とにかく、飯食いながら、ゆっくり話しましょ…何食います？』

「何でもいいけど…」

『じゃあ、いつも行ってる定食屋でいいですか？唐揚げ、めっちゃ上手いんすよ』

「唐揚げ？いいね、行こう」



オシャレな店とか全然知らんし…



いつも会社帰りに寄る定食屋

すっかり常連で、何も言わなくても、俺好みにアレンジしてくれる

好き嫌い多いから、めっちゃ助かってる




『こんばんは〜』


いつもみたいに店に入る…でも今日は後ろに圭子さんがおんねん


「こんばんは〜」

店「いらっしゃい…あら、今日はひとりじゃないのね」

『会社の先輩やねん』

「はじめまして」

店「ゆっくりしてってね〜、で、今日は？」

『唐揚げ』

店「彼女さんは？」

「私も同じものを…」

店「はいは〜い、ちょっと待っててね〜」



今、「彼女さん」って…いや、そういう意味やないってわかってるけど…なんや、いい響きやなぁ

圭子さんもちょっと照れてる？

可愛いなぁ…



料理くるまで、忙しくて連絡出来なかった事とか、めっちゃ喋ってもうた…

やって、沈黙に耐えられへん

どうでもいい横山くんの話とかもしてもうたし…

それでも圭子さんはニコニコ聞いてくれてて…



俺の好きな唐揚げも、美味しいって食べてくれて…なんか幸せやな…

俺も食うたんやけど、まぁ旨かったんやけど…緊張のが優ってて…



やって、クリスマスイブまで、あと１週間しかあらへんねんて



今日、誘うしかないやろ…

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