父を求めて (ページ15)

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ウーピーパイページ15

でも、そんな母でも、ハロウィーンは好きみたいだ。父が決まって帰って来たから。だから、今日は元気なんだよ。

そうそう、いつか、父に読み聞かせしてもらったなあ。サーベルタイガーの親子の話だ。
サーベルタイガーの親は、子供の食糧を探しに行ったまま消えるんだ。で、その子供は何とかして生き延びようとするんだ。偉いよなあ、その子。俺なんかと違って。」

そういうと、おいおい泣き始めた。ブラッドリーはティムの頭をゆっくりとなでた。

大丈夫。まだやり直せるかもよ。

ティムは泣くのを止めた。そして、こういった。

「そういえば、名前、聞いてなかったな。」

名前も知らぬ相手と話していたなんて少しおかしいかもしれない。そうティムは思った。

「僕はブラッドリー。こちらはトム。年は６歳。よろしく。」

「そうか。俺は15だ。
お前さん達、お菓子はいかがかな？」

「「うん！」」

そうしてふたりは階下へと降りて行った。

そこには、ティムの母親がいた。

「まあ、いらっしゃい。ああら、ティムのお友達にしては小さいわねえ。ウーピーパイはいかが？ウーピーパイは夫の好物でねえ、ほら、あそこにいるでしょう。」

そういうと、写真を指さした。そして、恍惚とした顔で語った。

「夫はねえ、シカゴでいっつも忙しいんだけど、今日は特別に来てくれたの。だって今日はハロウィーンだもの。ところであなたたち、だあれ？」

「ブブブブラッドリーと、トム、、、」

ブラッドリーとトムにはその人が魔女にしか見えず、怯えていた。

「あら、トム、あなたはティムのお友達とそっくりねえ。えーっと確か、チャーリー！
あのしっかりした子は来てないの？」

「ああ兄は今日はちょっと、、、」

その様子を察したのか、ティムが気を利かせて、
「ああ、この二人はもう帰んなきゃいけないらしい。」
そういうと、
「じゃあ、ウーピーパイをどうぞ。チャーリーによろしく伝えて頂戴。」といい、ずっしりとした袋を渡された。優に10人分は超えていた。

ブラッドリーにはこの人が可哀そうに思えた。