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『A…！』
転けそうになったAを受け止める茶髪パーマの男。
ただの同級生かと思えば異様に仲が良く見えた。
『ヨコ…横山〜！』
『っ…うるさ…』
『何見てん？図書室に居らんかったから探したで？』
『別になんでもねぇよ…』
『なんや次はあの男か？』
俺が運んであげようとした本を持った男とAを見送ると、ヒナは俺の鞄で思いっきり胸を叩いた。
『おい…！なんや？大丈夫か？』
『A…さっきの女』
『女？何知り合いなん？』
『図書室で会ったんやけど、俺のこと怖がらへんかった』
鞄を受け取り元来た道を戻り出せばヒナは興味を示した。
『へぇ…おもろい子が居るもんやなぁ…で？一目惚れかぁ？』
俺の顔を覗き込んで見上げてくるヒナに俺は足を止める。
『え…まさか図星なん？』
『嫌われた』
『もう…ほんまに暴言吐いて伝わるわけないやろ』
『馬鹿正直に言う方が阿呆やろ…俺やって後悔しとるし…』
『なら謝って仲良うしたらええ』
『俺が1号棟なんか行ったら捕まるわ』
『こっちの図書室で本借りたってことはこっちに返すことになるやろ？』
確かにそうや。
そんな単純な事が分からなくなるくらいに俺の思考は停止していた。
『まぁ…もしかしたら運命的な再会するかもしれへんやろ？』
俺を弄り始めたヒナを置いて歩き出すと校舎から出た。
『ちょ…待ってや！悪かったって……』
『……』
『あれって……』
校舎から出た瞬間聞こえてきた暴れる輩の声。
視線を向けると、その真ん中にはさっきの男と怯えるAの姿があった。
『やばいよな…ヨコこれは…』
ヒナに言われる前に勝手に動き出した自分の身体。
鞄をヒナに押し付けて俺はすぐさま走り出し輩を蹴り飛ばす。
『弱いくせに…無茶しやがって』
必死にAを守ろうとしていたことは分かる。
気を失うギリギリまでこいつはAのことを気にし続けていた。
俺は男をAに返すと調子に乗ってる輩の後始末に取り掛かる。
〔よ…横山さん…もう…っ…〕
『あ”？』
〔す…すみませんでした…！〕
『次襲ったら…分かってんな？』
地面に倒れ込んだまま必死に謝る輩達に睨みを効かせれば、俺は保健室へと向かった。
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夜(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。ワクワクしてもらえて何よりです、！お楽しみください。 (2022年1月29日 15時) (
レス) id: 21360e0486 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。更新を楽しみに読ませてもらってます！次はどんな展開になるだろう…とワクワクしちゃってます。 (2022年1月28日 20時) (レス) @page7 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 | 作成日時：2022年1月18日 12時
